ドイツ世界遺産紹介④フェルクリンゲン製鉄所

こんにちは。
今回はドイツの世界遺産「フェルクリンゲン製鉄所」について見ていきたいと思います。

フェルクリンゲン製鉄所 は、ドイツの1世紀を超える歴史を持つ旧製鉄所です。この製鉄所は『工業文化のイコン』あるいは『労働のカテドラル』と称されています。

1994年、ユネスコはフェルクリンゲン製鉄所を世界遺産に登録しました。産業遺産としては世界初の例で、2007年にはドイツにおける歴史を象徴する産業建築にノミネートされました。 フェルクリンゲン製鉄所内では多くの文化行事が開催されており、年間20万を超える人が訪問しています。
入場料は12ユーロです。
第2次産業革命最中の1873年に建設された敷地面積が約6万平方mのフェルクリンゲン製鉄所は、過去2世紀、この地方のザールブリュッケンで産出する石炭とルクセンブルグの南西地域で産出する鉄鉱石を原料として利用した製鉄所として栄え、フランスのロレーヌ地方、ルクセンブルグと共に、ヨーロッパの「石炭鉄鋼三角地帯」と呼ばれました。しかし1960年代を最盛期として、次第にヨーロッパの鉄鋼産業は衰退し、世界の製鉄業を長年リードし続け先導的な役割を果たしたフェルクリンゲン製鉄も、1986年に操業停止。製鉄所の設備は、未来に残すべき遺産として、今もそのまま保存され、記念博物館などとして活用されています。





第二次世界大戦中には約7万人の強制労働者や戦争捕虜が鉄鉱石採掘、製鉄あるいはザール地域の工場で労働に従事しました。比較的軽い労働には女性も就労させられ、それまでは立ち入りが禁止されていた生産現場でも働かされたようです。戦争末期には14,000人の、ロシア、ポーランド、ユーゴスラヴィア、フランス、ベルギー、ルクセンブルクなどから連行された男女が極めて過酷な条件下での労働を強いられました。ドイツ各地の製鉄所や機械工場が激しい爆撃を受ける中、フェルクリンゲン製鉄所はほとんど無傷のまま終戦を迎えることができました。この事実は「フェルクリンゲンの奇跡」と呼ばれています。







フェルクリンゲン製鉄所は、ドイツ南西部、ザール地方のザールラント州に位置しています。

次回のドイツコラムもお楽しみに!

2012/04/06