2023/09/15

ドルトムントやバイエルンに倣いアウグスブルクが構造改革、ロイター氏がマネージャーからアドバイザーへ

©︎picture Alliance / SvenSimon

 シュテファン・ロイター氏が今後、FCアウグスブルクのマネージングディレクターからの任務を解かれることが明らかとなった。2012年12月にアウグスブルクに加入した頃、まだブンデスリーガで2シーズン目を過ごす存在だったクラブを、それから紆余曲折の末にブンデスリーガの舞台へと導き続ける手腕を発揮。だがその10年以上のロイター時代に、遂に幕がおろされることになる。とはいえロイター氏が完全にクラブから離れるという意味でもない。今回の対応はFCアウグスブルクが進める構造改革の一部なのだ。

 ロイター氏は今後も「アウグスブルクの競技部門における管理、また首脳陣と定期的に連絡をとる形でサポートしていく」とのことで、今後は顧問的な立場になるという。ロイター氏は「我々はここ数週間、数ヶ月間、構造改革における様々な議論を重ねてきた。そして11年近くの密度の濃い時間をこの夏の移籍市場で締めくくり、これからはマリンコ・ユレンディッチSDを育成していく。その最適な時期にあると思う」と語った。

 アウグスブルク以前にはドルトムント、1860などでも仕事をしていた同氏は、1990年のワールドカップ優勝メンバーでもあり、アウグスブルクとの契約は2026年まで有効となっていたものの最近の伸び悩みなども踏まえて、今回の新たな風を吹き込ませる判断につながっている。マルクス・クラブ会長は「昨季終了後に話し合いを続け、その方向性について議論しアイデアを交換する中で、良い結果を導き出せたと思う。いまはそれを段階的に進めており、こういった集中的な話あいを通してクラブの将来はしっかりと見据えられているよ」と胸をはった。

ドルトムントやバイエルンの例に倣った「円満解決」主張も…

 具体的には今年の夏から前述のユレンディッチ氏がスポーツディレクターに就任。そしてその右腕である、ハインツ・モーザー氏が9月はじめよりユースセンターの担当を務めており、トップチームとの連絡線の確保が求められているところ。さらにそのトップチームではクリストフ・ヤンカー氏が有資格部門担当となっており、今後は唯一のマネージングディレクターとなるミヒャエル・シュトロール氏は、むしろ財務部門を中核として活動を続けていく模様。競技部門で必要なときにはロイター氏が助け舟を出すという流れだ。

 つまりドルトムントにおけるマティアス・ザマー氏(顧問)とヴァツケ氏(CEO)、バイエルンにおけるルメニゲ氏(顧問)とドレーセン氏(CEO)という体制に、アウグスブルクもまたロイター氏(顧問)とシュトロール氏(取締役)に倣った格好。あくまで円満な形での構造改革であることを主張してはいるが、しかしながら一部の上層部からロイター氏への不満が募りつつあったこともまた事実であり、前会長のクラウス・ホフマン氏と秘密裏に締結していた契約延長によって、高額のサラリーを2026年までの受けることになっていた件については、果たして今回どのような結果になっているか興味のあるところだ。

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