2019/11/02
ブンデスリーガでフィールドプレーヤーが、GKを務めた主な事例
滅多に起こることではない、だがそういったことも稀にはある。負傷、退場・・・、時にフィールドプレーヤーが、グラブを身に付けゴールマウスの前に立たなくてはならないこともあるものだ。それが実際にドイツ杯2回戦において、ニュルンベルクのエンリコ・ヴァレンティーニが味わったことであり、さらに延長後のPK戦でも守るという事態にまで陥ってしまったことでもある。これまでブンデスリーガにおいて起こった、主な同様の事例8件をピックアップ、改めて振り返っていこう。
1999年:ミヒャエル・タルナト(バイエルン・ミュンヘン)
この日に行われたアイントラハト・フランクフルト戦にて、まずはオリヴァー・カーンが、その後にはバックアップのベルント・ドレーアーが負傷を抱えており、その結果タルナトが、後半56分という時間帯からゴールキーパーとしてプレーすることとなった。そこで2度のセーブをみせるなど無失点に抑え、最終的にバイエルンは2−1で逆転勝利を収めている。
2000年:ミハエル・シェーンベルク(カイザースラウテルン)
良く年に同様の展開となったのが、SCフライブルク戦に臨んだカイザースラウテルンだ。ゲオルグ・コッホとウーヴェ・ゴスポダレクが負傷したことを受け、ミハエル・シェーンベルクが後半はらゴールキーパーを務めることに。確かに1失点を喫し、敗戦を免れることはできなかったものの、それでもアレクサンダー・イアシュヴィリのPKを止める好セーブを披露した。
2002年:ヤン・コラー(ドルトムント)
バイエルンとの大一番において、後半66分にゴールを任されたフィールドプレーヤーが、ドルトムントのヤン・コラーだ。イェンス・レーマンが退場処分を受けたことにより、202cmの大型FWはグラブを手にしてゴールマウスの前に立ちはだかり、幾度となくセービングを披露。最終的には1−2で敗戦することになったが、その奮闘ぶりはkickerベスト11という結果として評されている。
2008年:ヤン・ローゼンタール(ハノーファー)
その6年後に行われたヴォルフスブルク戦にて、ハノーファーのGKフロリアン・フロムロヴィッツが後半80分に退場処分を受けたことにより、MFのヤン・ローゼンタールがゴールキーパーとしてプレー。1−2という緊張感のある場面での起用ではあったが、エディン・ジェコのフリーキックをセービング。しかしながら試合はそのまま、ヴォルフスブルクの勝利に終わったが・・・。
2011年:長谷部誠(ヴォルフスブルク)
その3年後にヴォルフスブルクは逆の立場に立たされることになる。後半35分に現ドルトムントのマルヴィン・ヒッツが一発退場となり、マガト監督は長谷部誠をゴールキーパーへと指名。1−2という、同じく緊張感のある場面での起用となったが、現リヴァプールのフィルミノとの1対1に追い込まれると、飛び出した長谷部を冷静に交わしてゴール。その後、長谷部はクロスボールをキャッチするなど奮闘をみせるも敗戦を喫した。
2013年:ケヴィン・グロスクロイツ
この年のブンデスリーガ最終節にて、降格の危機に瀕していたTSGホッフェンハイムが、この年にバイエルンとのCL決勝に臨むボルシア・ドルトムントと対戦。しかしながら後半81分、1−1の場面でロマン・ヴァイデンフェラーが退場となりPKを献上。代わりに生粋のドルトムンター、ケヴィン・グロスクロイツが立つも、フリーキックのスペシャリストのサリホヴィッチを止めるには至らず逆転弾。ホッフェンハイムは起死回生での1部残留を果たすことになる。
2013年:セバスチャン・ポルター(マインツ)
マインツのクリスチャン・ヴェトクロが、FCアウグスブルク戦での後半88分に、退場処分を受けたことによりゴールを守ることになった、センターフォワードが本職のセバスチャン・ポルター。だがそこでみせた動きは、決して付け焼き刃というレベルのものではなかった。それもそのはず、ポルターは14才はゴールキーパーとしてプレー。ダニエル・バイアーのフリーキックをしっかり止めるなどゴール前に立ちはだかってみせたが、しかしマインツはそのまま1−2で敗れてしまった。
2019年:エンリコ・ヴァレンティーニ
先日行われたドイツ杯2回戦、ブンデス2部ニュルンベルクと、ブンデス3部カイザースラウテルン戦にて、ニュルンベルクのGKパトリック・クラントが負傷を抱えたために、急遽ヴァレンティーニがゴールキーパーとしてプレー。なんと、そのまま延長戦後のPK戦でも守ることになった。だがそこでヴァレンティーニは、1本もPKを止められずに敗戦。一方のカイザースラウテルンは、初戦の1部マインツ戦に続く、格上相手の勝利で16強進出を決めている。