2022/10/03

ブンデスリーガにみる、ポゼッションサッカーの衰退

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 およそ1ヶ月ほど前にVfLヴォルフスブルクのニコ・コヴァチ新監督は、「自らプレーをしながら打開策を見出すというアプローチは、明らかに問題を抱える傾向にある。バイエルン・ミュンヘンを除いてね」とコメント。確かにここのところ10連覇を成し遂げるなど圧倒的な力を誇ってきた古巣ではあるが、ただそのバイエルンも含めてブンデスリーガでは、ポゼッション率の高いクラブほど苦戦の傾向にある。(ブンデス第7節まで)

 たとえばポゼッション率5位のバイヤー・レヴァークーゼンはここまでわずかに1勝、さらに4位のRBライプツィヒもまた期待を大きく裏切り、ポゼッションサッカーを展開していたドメニコ・テデスコ監督に早くも見切りをつけた。ちなみにパス総数ではその時まで、ライプツィヒはバイエルンに次ぐ数字を誇っていた。

 つまりはブンデスリーガでポゼッションサッカーを展開するクラブにおいて、相当の割合で勝ち点に結びつけられない展開が見られているということであり、逆に首位に立った1.FCウニオン・ベルリンはブンデスリーガでシャルケとアウグスブルクに次ぐ、3番目に低いポゼッション率を記録しているところ。さらに同じく好調の3位フライブルクも同じ45%で3位につけているのだ。

 これらの数字を見る限り、ブンデスリーガにおいては典型的な選手優位のアプローチよりも、むしろカウンターサッカーの方が有望であるかのようにみうけられる。そのため実際にそのスタイルを採用するクラブが増加傾向にある点についても、なるほど頷けるというものだ。実際に国際的な比較をすると、その傾向がいかに如実であるかがわかる。

 欧州5大リーグのうち他の4リーグの平均パス成功率が、81〜83%で推移するのに対して、ブンデスリーガでは78.5%のみ。1つのチームが試合中に10本連続で繋ぐ試合は14.5回しかなく、これは欧州5大リーグの中でも最小だ。ちなみにリーグ・アンやプレミアリーグでは20を超える。

 また欧州5大リーグ全98クラブのうち、パス成功率ランキングでは下位8クラブのうち実に6クラブが、ブンデスリーガのクラブであることも際立っているといえるだろう。しかもその中でブンデス首位のウニオン・ベルリンは、96番目となる71.71%でしかない。逆に上位25クラブに目を向けても、そこにいるのはバイエルンのみで7位。トップ3はパリSG、マンチェスターC、そしてレアルと、CL優勝候補ばかりだ。

 さらにブンデスリーガではそこまでショートパスが重要視されていないことは、欧州5大リーグの中で最多パーセンテージとなる、14.7%というロングボール率からも見て取れる。しかも上位3クラブはボーフム(22.8%)、アウグスブルク(21.4%)、そして首位ウニオン・ベルリン(19.8%)であり、下位にいるのはこちらもバイエルンのみ。(7.5%、下から5番目)

 果たしてこれはブンデスリーガにおける限界を意味するものであるのか、はたまた逆により将来性のあるアプローチを好む傾向にある、意識的な判断によるものなのだろうか?その結論はいまのところはまだ下すことはできないのだが、ただ確かなことは望んでのことか望まざることかは別にして、現在のブンデスリーガでは明らかにポゼッションサッカーが苦戦を強いられているという事実である。

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