2022/12/09

ヘルマン/レキ体制で臨む事態に陥った、ブンデスリーガの未来と課題

全てのことに対して疑問の目を向けること、それは経営コンサルタントなどが頻繁に使う言葉であり、たとえ成功したモデルであっても疑問の目を向けることで、時代との照合にもつながるものだ。実際にそれを1年前に外部からブンデスリーガの代表として招聘された、ドナータ・ホプフェン氏は行なっていく。つまり2005年から2021年まで在任し、ブンデスリーガを極めて成功したショーケース企業に変えた、前任者のクリスチャン・ザイファート氏の決断に疑問の目を向けたのだ。

 特に2022年はブンデスリーガにとって停滞の1年となった。ホプフェン氏の就任初年度では様々なことが問われ、そして未来につながるものは見出せていない。小規模な契約はいくつか結ばれたものの、多くの主要な建設現場はオープンなままとなってしまった。そういった流れでは今回の退任は理にかなったものだろう。「ドイツ・プロサッカー界の未来に向けた実行可能な戦略が策定された」とホプフェン氏は胸を張ったが、相談役会からはプレスリリースで「戦略的方向性について異なる考えをもっていた」ことを退任理由としているだけに理解を得ることはできなかったということ。

 これからはアクセル・ヘルマン氏、そしてオリヴァー・レキ氏という、ブンデスリーガの経営者層における若く成功した2人が、暫定的に今季いっぱいまでブンデスリーガの指揮をとる。ヘルマン氏はアイントラハト・フランクフルトの取締役会の代表として、レキ氏はSCフライブルクの財務・組織・マーケティング部門取締役として、共に競技面と財政面において健全経営へと導いているところ。また組織には優れた人材も確保されているということなのだろう、この半年間は自軍へのクラブへの関与はそこそこに、クラブから離れてブンデスリーガの全体の利益となるための仕事に完全集中することになるという。

 これは確実にエキサイティングなプロジェクトだ。ただそれと同時に2人の管理職には大きな重圧がのしかかるものでもある。これからブンデスリーガとしては適宜結果を残していかなくてはならない。ドイツサッカー連盟とん新たな基本合意や、2025年夏からの新しいテレビ放映権の入札、50+1%ルールに関する連邦カルテル庁との競技、投資家の参入などなど、夏の本格的な後継者選定前に取り組まなくてはならない問題が山積みだ。

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