2023/02/12

UEFAレポート:投資家の影響がより鮮明になった現代サッカー

©️imago images/Eibner Europa

 UEFAが財務報告書『The European Football Landscape」を発表。サッカー界ではコロナ禍が与えた深刻な影響から立ち直りつつある。2022年度の売上高はコロナ禍前(2019年)と比較しても4.1%増加。これはスポンサー収入と広告収入が13%増加したことが大きく、小売り販売では17%、スポンサーシップでは22%の増加が見受けられたという。またチケット収入もコロナ禍前と比較して93%にまで回復した。

 ただ支出面においてもコロナ禍前より伸びは顕著で、16%もサラリー面で高額となり、収益は増えてもそのうち54%を選手のサラリーが占める上、移籍費用やクラブ運営・管理など、収益の83%が既に消費。ただ総じて見て2021年度よりも財政面でみえばこれでも改善はされているのだが、ただ一部クラブでは依然として崩壊的状況は続いている。利益を計上しているのは2022年度のバランスシートを完成させた143クラブのうち4割で、純営業損失率は2%。19億ユーロという多額の税引き前損失を計上したのだ。

 しかも欧州クラブの移籍金の総支出額は57億ユーロと前年度と比較して45%も増加しており、しかも欧州5大リーグのうち前年度より増加したプレミアリーグからの支出が顕著。逆にいえばその恩恵を他のリーグが受けているともいえ、移籍金総額の実に53%に関与したことで、とりわけデンマークやオランダ、オーストリアやポルトガルといったあたりがこの夏に記録的な移籍金収入を手にしていた。

 そんな中でオーナーによる資金注入は欧州全体で総額60億ユーロをも超えており、35件でオーナーが過半数買収するプレミアでは、うち半分となる16件が外国人によるもの(最大は米国による9件)。そして1クラブのみならず複数のクラブをオーナーが所有する傾向も強まっており、その数はこの10年で5倍にまで増加。投資家の数も3倍にまで増えている。

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