2023/05/02
ヘルマン取締役がフランクフルト残留を宣言、ブンデスリーガへの完全移籍は無し

©︎IMAGO/HMB-Media
火曜午前にアイントラハト・フランクフルトは、取締役でスポークスマンを務めるアクセル・ヘルマン氏が、来シーズン以降も引き続きクラブに留まることを確認したと発表した。本来ならば2027年までの契約を締結してはいるものの将来性が不透明となっており、ここのところ暫定的に勤めているブンデスリーガの代表への本格就任の可能性に加え、さらにフィリップ・ホルツァー相談役会会長との不和についても取り沙汰されていた。特にランダル・コロ・ムアニはじめ主力選手の移籍問題や、監督やSDの去就問題など、数多くの問題を抱えるクラブにとってはひとまず安堵といったところ。
ヘルマン氏は「私にとって決め手となった理由は、このアイントラハト・フランクフルトでは多くのことを、自らの手で動かしていけるということ。私の立場上ここのところは特に、クラブの発展をあらゆるレベルにおいて、強力に推進していくことが必要かつ重要なことであった。クラブ上層部との話し合いの中で私は、この点についての私の考えを明記しており、そして誰もがこのクラブの競争力と成功を高めるために協力を惜しまない意思をもっていることを確認できたのだ」と説明。
一方で、ヘルマン氏残留のためには辞任の用意もあることを明らかにしていた、ホルツァー相談役会会長は「来シーズンはもとより、今シーズンのラストスパートにおいても、クラブ全体にとって重要なシグナルとなるものだ。ここ数週間、彼が自分の将来について思いをめぐらせたことは理解できるものであり、ここ数週間にわたって行われたオープンかつ良好な話し合いのなかで、異なる意見をクリアにすることができた。継続的に成功していくために必要な、協力関係を築いていくための良い土台を確認することができたのだよ」と語った。
火曜午後に行われた会見の要項
火曜午後に行われた会見でヘルマン氏は改めて、クラブへの愛着からDFLのヴァツケ相談役会会長に代表就任の意思がないことを伝えたと強調し、「ヴァツケ氏もドルトムントに深く根ざしている。理解してくれたと思うし、彼も逆の立場であれば同じ決断をしただろう」とコメント。
衝突が伝えられたホルツァー氏については「異論があっても話し合いを重ねて明確にしてきた。私が100%実行可能であると思える作業モードで互いに合意している」と述べ、「非常に多くの強みをもった人物」として評価。詳細は明かされていないが今後、フランクフルトにおいてヘルマン氏の地位は強化されることになる。
なおこのタイミングでの発表については、DFLでの投資家問題での区切りがあったことを強調しており、噂されたバイエルンのオリヴァー・カーン代表の後継の噂も、「そんな話や具体的な依頼なども一切なかった」と否定した。
フィッシャー会長が退任
なおその後の週末にはブンデスリーガでは現在最長となる、2000年より会長職を務めてきたペーター・フィッシャー氏の退任が発表。近年は、ドイツサッカー界のどの指導者よりも、差別、人種差別、右翼ポピュリストに反対する立場をとるなど、2021年にドイツスポーツ連盟(DOSB)のフェアプレー賞や2022年にはブーバー・ローゼンツヴァイク・メダルを受賞してきた67歳。
昨年には再選を果たしていたものの、今回2026年までの契約解消の理由について「健康上の問題」と「家族へのケア」を挙げており、特にここのところはホルツァー会長とヘルマン氏の仲介役を務めるなど「限界を超えていたところがあった」と説明した。なお後任には52歳のマティアス・ベック氏が就任する予定で、2024年1月の臨時総会で選出される見通し。