2023/05/24
FIFAの新エージェント規則を、ドイツの地方裁判所が一時差し止めへ

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kickerが得た情報によればドルトムントの地方裁判所では、新しいエージェント規則に対する暫定的な差し止め命令が下されたという。これによりFIFA、ドイツサッカー連盟も、つまりは各国レベルの世界統括団体の代理人も、新しいエージェント規則が適用できなくなったということだ。
ただしあくまでこれは一時的な差し止め命令であり、FIFAとドイツサッカー連盟では上訴を行うことが可能。提訴したのは代理人を務めるラルフ・ボックシュテッテ氏とミヒャエル・フランク氏で、同地方裁判所では仮処分の理由としてカルテルの禁止に違反していると見ているようだ。なお近日中に正式な確認が行われる予定。
最近になって導入された新しいエージェント規則については、FIFAが手数料の上限を導入するだけでなく、複数の当事者代表を制限したいと考えているため、2022年には6億ユーロ近くがコンサルタント手数料として支払われている代理業者からは不評の的をなっている。そのためチューリッヒに本拠を置くエージェントロビー団体「ザ・フットボール・フォーラム」(TFF、ホルヘ・メンデス、ジョナサン・バーネット、ロジャー・ヴィットマンといった有力者が名を連ねる)が、FIFA理事会といアメリカで法的争いまで展開。
さらにそのヴィットマン氏のロゴン社もドイツで、旧規則についてはドイツの連邦最高裁判所で、新ルールに対する訴訟は国際スポーツ仲裁裁判所(CAS)とオランダのユトレヒトの裁判所でも係争中。またマインツの地方裁判所はFIFAに対する訴訟の手続きを中断し、ルクセンブルクの欧州司法裁判所ECJにいわゆる予備判決を送っていた。