2023/05/25

独紙キッカー解説:ブンデス投資家導入否決にみる、問題への共通認識と目的意識の違い

©︎IMAGO/Sportfoto Rudel

 長年にわたりドイツサッカーリーグ機構の代表取締役を務めたクリスチャン・ザイファート氏は、ちょうどこの日に否決されたドイツサッカーリーグ機構の投資家導入プロジェクトの問題についての発言をトークイベントで求められており、これまでサッカーに関しては沈黙してきた同氏も「これは決して驚きではないね」と口にするほかなかった。

 ただ単純に結果だけをみるならば、これは反対派も含めサプライズではある。以前よりブンデスリーガではプレミアリーグをはじめとして他の欧州主要リーグと投資家導入面に関する資金面の差、逆に健全経営の重要性などが絶えず議論されてきた中で、今回提案されたプロジェクト案はすでに上記のリーグで導入されていることからも、それに追随するかを議論するのはむしろ当然だろう。

 つまり国際間における競争とそこから得られる収入格差、放映権料においてスカイやDAZNなどの状況を踏まえても厳しい展開が予想される中、いずれのクラブにとっても「資金調達」というのは共通した課題でありながらも、ただ他リーグと異なり、ブンデスリーガでは否決がなされたということ。この結果は受け止めなくてはならないが、それでもザイファート氏やヴァツケ相談役会会長が、ブンデス1部と2部で異なる目的をもっていると指摘するのは当然で、驚きを与えた無投票を行ったのはおそらく2部のクラブとみられる。そのためヴァツケ氏がビッグクラブとの連帯の必要性自体を問うように、ザイファート氏も構造の見直し自体を提言した。

 無論、民主主義の観点からいって、2部のクラブであってもこのテーマに批判の声をあげる権利はある。ヘルタを見てみも、お金ではなく健全経営でサッカーは成功を収められるもので、その最たる例が暫定代表を務めているアクセル・ヘルマン(フランクフルト)、オリヴァー・レキ(フライブルク)ではないのか。そもそも投資契約は単純に利益の先取りに過ぎないのではないか。ただ国内と国際間のような目的意識の結果で意見の相違が生まれてしまうと、今度は創設されていないスーパーリーグ構想へと、バイエルンやドルトムントのようなクラブたちは歩みを進めていってしまうのではないか。それともブンデス1部と2部を分けて考えるべきかといった声も高まるのではないか。

 確かに現時点においてそこまでの発想というのは、いずれにしてもそれはファンシーンの影響を考えてあまりに極論であり非現実だが、ただいえることはブンデス1部と多額の相互出資を受けている2部の間で、資金の分配をめぐる議論が加熱することはもはや避けられないということ。それはすでにドルトムントでCEOを務めるヴァツケ会長自身が明かした言葉だ。

 批判側もまたすでに直面しているこの資金面の問題に積極的に解決策を求めていかなくてはならないし、逆にバイエルンやドルトムントのようなクラブも自分たちだけがリーグの魅力向上の責任を負っているわけではなことを認識しなくてはならない。何よりこれから新たに代表取締役を正式に迎えることになるドイツサッカーリーグ機構と、すべてのクラブがしっかりと調和して分裂は避け、できることならば迅速に導入していくようにしていかなくてはならないと、共通して認識しなくてはならないということである。

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