2022/02/14

いまだアラバの穴を埋めきれない、バイエルンCB陣


 そもそもバイエルン・ミュンヘンが4失点を喫して敗れる事自体が特別なことではあるが、それが9連覇中のリーグ戦での戦いで、しかも相手が昇格組で、前半だけで全失点を記録していたということであれば、それはなおさらに特別なことだ。当然ながらこういった敗北は多くの議論を呼び、また見直しの話もでてくるものであり、それは今回も決して例外ではない。2位との勝ち点差がまだ6あったとしても、バイエルンがまたしても守備面で目に余る欠陥を露呈した事実は変わらないのだ。
 「もっと早く反応すべきだった」試合後にそう漏らした、ユリアン・ナーゲルスマン監督。すでに前半のなかばには交代要員として、コランタン・トリッソを準備させていたことからも、力を発揮できていなかったダヨ・ウパメカノをより早く、特に3失点を立て続けに浴びた前半終了6分前までに、動いていたならばと悔やまれることだろう。
 そもそもナーゲルスマン監督が3バックから4バックへと修正した時点で、いったいなぜボランチを2枚ではなく1枚のままとしていたのか。おそらくは中央における攻撃面での枚数を減らしたくはなかったという思惑だろうが、相手の反撃に備える選手の枚数もまた不足することになる。逆に言えばダブルボランチであれば、単純なロストでも対応しきれたかもしれない。実際にそれはトリッソが投入された、後半で見受けられたものだ。
 また献身的なハードワーカーであるリュカ・エルナンデスの隣には、リーダー的存在が求められるものであり、その点ではドイツ語を話して長く在籍するニクラス・ズーレが敵役かもしれない。ただそのためのカリスマ性やリーダーシップには欠けており、またCBの役割も期待されるエルナンデスと同じフランス出身のベンジャマン・パヴァールは、まだ十分な成長をみせることができていないのが現状。
 つまりは昨夏にフリートランスファーにてレアル・マドリードへと移籍した、ダヴィド・アラバの穴は3人のフランス人DF、ウパメカノ+エルナンデス+パヴァール(移籍金合計1億5750万ユーロ)でも埋めきれていないということ。だが一方でバイエルン首脳陣は、今季は試合前までリーグ戦で1試合平均1失点のみだった守備陣へ、あくまで今回のボーフム戦が良いタイミングでのショック療法となるよう、決して根本的な問題とはならないようにと願っている。
  

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