2022/09/25

ドイツ代表:フリック監督就任以降、最悪のプレーで初の敗戦

©️IMAGO/Matthias Koch

 当然のことながらハンジ・フリック代表監督が思い描いていたものは、今回のものとは全くもって異なるものであった。本来ならば母国開催のハンガリー代表戦にて、ネイションズグループリーグにおける首位を直接叩き、そしてウェンブレー・スタジアムに乗り込んでイングランド代表を撃破。今冬開催のワールドカップに向けて求められる自信と、選手たちのいきをより一層に合わせていくこと、そしてネイションズリーグ・ファイナル4への切符を手にしたかったのである。だがむしろチームに対しては疑問と不安が渦巻いており、とりわけ今回のハンガリー代表戦でみせた前半戦での戦いぶりは、1年前にハンジ・フリック監督が就任して以降、最悪のパフォーマンスだったのだから。

 この目的意識の低いプレーをみせるに至ったのには、いくつもの欠陥部分が存在する。そしてハンガリー代表が守備でみせた縦横無尽のプレスによって、ドイツ代表はなかなか思い切ったプッシュをはかれず、相手の5mエリア内にはほぼ侵入することさえできない。深い位置にパスを通そうにも長すぎたり、クロスを投じても相手にブロックされたり届かなかったりと、唯一トーマス・ミュラーがヘディングを放ったのが唯一の見せ場となってしまった。後半でもキミヒが放った2本の後方からのシュートが最も有望なチャンスとなっており、ドイツ代表は実質上相手PA内で何もできなかったのである。

 1つ1つの対人戦に心血注いで向かうハンガリー代表を相手にして、ドイツ代表はPA周辺でパスを行き来させる場面を多くみせてしまっており、別の言い方をするならば典型的なセンターフォワードの不在を痛感させられる、象徴的なシーンでもあった。できることなら攻撃の中心でその存在感を発揮し、ボールをしっかりと預かって、またクロスに対してはパワフルさを活かしたプレーで応えられるような、そういうパートナーがドイツ代表選手の中には見当たらなかったのだ。ティモ・ヴェルナーはそのタイプではない。またセルゲ・ニャブリやミュラーも影響力が薄く、そもそもダヴィド・ラウムしかりニクラス・ズーレしかり、現在ドイツ代表では調子を落としている選手が多すぎる。

 ホフマンは本職ではない右SBで再び起用され、後半からやはり攻撃的選手であることを思い知らされた。イルカイ・ギュンドアンは奮闘みせるも詰めが甘く、キミヒも負傷明けで前述のようにシュート運にもめぐまれず、リロイ・サネは対人戦では勇敢さをみせたが攻撃ではアクセントをつけられなかった。アントニオ・リュディガーは及第点を力を発揮した唯一の選手であり、個人の力で打開できるカイ・ハヴェルツやジャマル・ムシアラは明らかに投入が遅すぎた。何より総じてみて組織をまとめる力、頭脳がズバ抜けており、後半では頑張ってはいたもののそれでも創造性、発想力、華麗なパスワークなどはみられていない。フリック監督就任後、初となるこの屈辱の敗戦を、チームとしてしっかりと受け止めるべきだ。ロンドンでの戦いは特にイングランド代にとっては順位への影響はない中での戦いとなるが、それでもドイツ代表にとってはこの暗雲を少しでも払拭するためのパフォーマンスが求められる戦いとなる。

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