スカパー!
2022/09/27
トーマス・ミュラー、レアル・マドリードを例に奮起を誓う

©️IMAGO/Pressefoto Baumann
本来ならば前向きなハンジ・フリック監督も、さすがに月曜夜のイングランド代表戦後では「当然ながら抱く失望」への色を隠せずにいた。伝統の一戦で3−3という結果に「非常に残念だ」と述べており、マネージャーを務めるオリヴァー・ビアホフ氏も「苛立ちが勝る」と明言する。特にドイツ代表は2−0とリードを奪い、ワールドカップ前哨戦として心理的には穏やかに終われたかもしれないところを、フリック監督曰く「小休止」してしまったために逆転。「あれは決して起こってはいけないこと」と指揮官も苦言を刺す。
この日ドイツ代表で最も活躍をみせた若武者ジャマル・ムシアラが「試合を決めなくてはいけいないはずだったのに、あの時間帯は荒れてしった」と振り返ったように、ドイツ代表はパス回しばかり多くプレーの制御を失って得点チャンスが見出せなくなり、「2−0としてから余りにも消極的で、守備が深く下がりすぎて積極性が失われてしまった」とキミヒ。そのチームとしてのズレが個人のミスへと連結し、この日リュディガーの出場停止でチャンスを得たニコ・シュロッターベックが逆転となるPKに繋がるファウルを、ドルトムントで同僚のベリンガムに献上。まだまだ学ばなくてはいけないことを露呈した。ただドイツ代表も相手DFマグワイアにも助けられる形でギュンドアンのPK、そして見事なハヴェルツの2得点などで痛み分け。ムシアラと共に輝きを解き放ったが、ただフリック監督は守備面での更なる貢献について要求する。
なにより指揮官はこの日、「確信」という言葉を幾度となく用いており、その気持ちが失われた時間帯がイングランド代表への逆転劇につながってしまったのだ。「イングランドはさらにアグレッシブだったよ。どの選手にも言えることだが、自分の資質を最大限に信じてワールドカップをスタートさせていかなくてはいけない」と、心身ともに代表選手たちへ更なる改善を要求。この日は先発から外れたトーマス・ミュラーも、「今の気持ちでワールドカップになって望めるものではないさ。ただ今がどうかはさほど問題ではない。レアルだって全てが順調だったわけではなく、それでも頭をあげ続けて、自分たちを信じ続けたんだ」と、かつてバイエルンで指導を受けたアンチェロッティ監督率いる、CL王者を例に奮起を誓った。