2022/09/28

独誌キッカー:日本代表を分析、森保ジャパンが掲げる代表2チーム策の意図

©️IMAGO/AFLOSPORT

 11月23日、ドイツ代表にとってグループリーグ開始を告げる笛の音が鳴り響く、その前に立っているのは現在、ドイツ・デュッセルドルフにて代表戦2試合を戦った日本代表である。そしてその『サムライブルー』たちが、ドイツ代表にとって手強い相手であることはまず間違いのないことであろう。

 日本代表の森保一監督はワールドカップ前での最後の試合となるエクアドル代表戦において、なんと完勝を収めたアメリカ代表戦の先発メンバーから、11人全員を入れ替えるという判断を下した。そしてそこでは明確に、戦術的な目的を追求していることを、すでに54歳の指揮官は公言している。

 つまりは初戦の相手ドイツ代表戦では、日本代表の選手たちは死力を尽くして、おそらく普段以上のはるかに多くのエネルギーを費やすことになるはず。それを見越した上で、続くコスタリカ戦では、完全に充電ができた『もう1つの代表チーム』を送り込む狙いなのだ。これによりドイツ代表向けのメンバーたちは、その後のもう1つの強豪国スペイン代表戦に向けて充電することが可能に。無論、森保監督はエクアドル戦後にローテーションについて多くを語ろうとはしていないが、こういった大幅な入れ替え策を講じてくることは十分に予想できることだろう。なぜならば先日、掲げた目標ベスト8進出入りのためには、森保監督は2つの代表チームが必要である考えを既に明らかにしている。

 そして今回の代表戦期間における初戦の相手、アメリカ代表戦では確かに相手が本調子ではなかった分を差し引いたとしても、日本代表にとっては自信を高める機会となっており、攻守に渡り組織的に好パフォーマンスをみせ、早いプレスと安定した守備は特に印象的なものであった。とりわけエクアドル代表戦では途中から出場し新たな風を送り込んだ鎌田大地(フランクフルト)、そしてボランチとして落ち着きをもたらしたデュエルキング遠藤航(シュトゥットガルト)などはその代表格といえるだろう。

 その同僚である伊藤洋輝もまた、左サイドバックやセンターバックとしてもそのクオリティを発揮しており、またSCフライブルク所属の堂安律はウィングで2試合、フォルトゥナ・デュッセルドルフ所属の田中碧はエクアドル戦にてボランチとして先発出場。

 森保監督はこれまで重ねてきたテストマッチで多くのテストを試してきたことにより、戦術的な選択肢が広がっていると説明。そのなかで「先発出場した選手も、途中から出場した選手も、共にワールドカップで戦えるだけのクオリティをもっていることを示せたと思うよ」と賛辞を贈る。「どの選手がピッチに立っていても、私たちはチームとしてしっかりと機能していけることを確認できた」

 なおそのワールドカップ招集メンバーについては、これからそれぞれの所属クラブにおける、残りのリーグ戦での選手がみせるパフォーマンスをみて判断していく予定。特にボルシア・メンヒェングラードバッハ所属の板倉滉や、VfLボーフム所属の浅野拓磨についてはそれまでに回復を果たせば、そして元ケルン、ブレーメン所属の大迫勇也(ヴィッセル神戸)も負傷明けの初戦にて早速2得点をマークするなど気を吐いており、時間の問題にもなるが全ての門戸を開くことを宣言している森保ジャパン入りへのチャンスは残されているはずだ。

 ただ仮にそういった重要選手たちが間に合わなかったとしても、森保監督はそれでもスター選手を軸とするのではなく、チームとしての輝きを解き放つことのできる、十分に戦っていけるだけのメンバーを揃えることができるだろう。11月17日には日本代表はドイツ代表とのワールドカップ初戦に先駆けて、アラブ首長国連邦にて、ワールドカップ出場国のカナダ代表との最後の総仕上げに臨む。

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