2022/10/25

W杯ブラジル戦:大量リードも冷静なレーヴ監督が檄を飛ばした理由

©️imago/Sven Simon

 ドイツ代表で長年指揮をとってきたヨアヒム・レーヴ監督は、決して「火山」のようなイメージをもたれる人物ではなかった。だが時に思いもよらぬ所で怒鳴り声をあげたこともある。それをkickerとのインタビューの中で、2014年に開催されたブラジルW杯準決勝での記憶として語ってくれた。

 前半29分にメスト・エジルからのワンツーで、サミ・ケディラが5−0とするゴールを決めた時、もはや決勝進出は間違いのないものと思われた。開催国であるブラジル代表を相手にして、ドイツ代表が圧倒するその姿はTVを見ていた誰もが細かに記憶していることだろう。

 だがヨアヒム・レーヴ監督の見方は違った。まだ試合は終わってはいない。そう考えていた指揮官はハーフタイムに入った際に、滅多にみせることのない怒鳴り声を挙げて、選手たちへと檄を飛ばしたことを明かしている。

 「時に思いもよらない形で、私だってそうなることもあったさ。例えばそれは2014年ワールドカップ準決勝、ブラジル代表戦で5−0として迎えたハーフタイムだね」と語ったレーヴ氏は、「ああいった前半の後でみせた私の姿に、選手たちも確かに驚いていたよ。ただ逆にリードされている時は、私は慌てるのではなく冷静に対応していたものだがね」とコメント。

 では何故、あの場面で檄を飛ばす必要があったのだろうか?その理由について、レーヴ監督は2012年10月に母国ドイツで味わった、スウェーデン代表との4−4の経験を指摘した。「まず第一に私にはかつて、4−0というリードをフイにしてしまった経験があったことだね」

 そして「2つ目の理由は、ブラジル代表がホーム戦で、しかもW杯という舞台で0−5とリードされる事の意味も理解していたからだ。我々の目的はあくまで決勝進出。後半でも集中力は発揮できればそこには到達できるだろう。だがそれと同じくらいに、対戦相手としてブラジル代表を決して軽んじることのないように心がけることも、大切なことだったんだ」とレーヴ監督。

 最終的にドイツ代表は7−1という結果で決勝戦へと進出、アルゼンチン代表との決勝ではマリオ・ゲッツェによる劇的決勝ゴールで歓喜に沸くことになったドイツ代表ではあるのだが、しかしながらその一方でこの準決勝の後半でブラジル代表に対し、決して敬意を欠いたような姿をみせなかったことは、今もなお大切な財産としてドイツ代表に脈々と受け継がれている。

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