2022/11/14

じっくり見極め「とても良いチーム」を作り上げた、ドイツ代表フリック監督

©️IMAGO/Beautiful Sports

 ハンジ・フリック代表監督は時間をかけてじっくりと観察し、話し合いを重ね、状況を見極めていきながら、今月20日に開幕を迎えるカタール・ワールドカップに向け、ベストと思われるドイツ代表26名を選出した。それは現在最も活躍をみせているドイツ人選手26人ということではなく、最も相性の良い26人の選手たちであり、とりわけマッツ・フメルスの落選はそのことを如実に物語るものだといえるだろう。33歳のセンターバックは今シーズン、安定して好パフォーマンスをみせてきており、しかもバックアップ要員であってもその役割を引き受けることを宣言していたのだ。

 しかしながらアントニオ・リュディガー、ニクラス・ズーレ、ニコ・シュロッターベック、マティアス・ギンターに続く、5番手としてプレータイムの見込みはほぼなく、またフリック代表監督は就任以来15ヶ月間で築いてきたヒエラルキーに対して、フメルスがここに加わらなかったことは逆にその信頼性の高さを改めて示すものだといえるだろう。そのため代わりには20歳のアルメル・ベッラ・コチャプが「将来性を考慮して」招集されたことは、指揮官自身も会見にて明かしたところ。とりわけ2024年に控える母国開催のユーロに向けて、同じく20歳のカリム・アデイェミなどと同様に貴重な経験を積むことになるだろう。今季は調子の上がらないアデイェミだが、ただそのスピードを失いたくはなかったようだ。

 一方で5年ぶりとなったマリオ・ゲッツェの代表復帰は、一見するとサプライズ選出のようにも見受けられる。だがこれは十分に正当性のあるもので、ブラジルW杯優勝弾の英雄は、今夏にフランクフルトでブンデス復帰を果たして以降、30歳となり目立つ好調ぶりを発揮し、また30歳となってプレーに成熟度が増した。さらにドイツ代表復帰というところで気持ち的にも期するものが相当あるだろう。今回ゲッツェが選んだ「11」を身につけていた、マルコ・ロイスに期待していた切り札的役割を担えるかもしれない。ロイスは長期に渡り足首の負傷で離脱を余儀なくされての選外だったが、一方で開幕戦から同じく足首の負傷で離脱が続いたルーカス・クロスターマンは選出。ただ完調を果たした上に、右SBの事情はロイスの攻撃的MFの定位置争いと状況は大きく異なるもの。

 なおドイツ代表のFW事情ではティモ・ヴェルナーとルーカス・ヌメチャが共に、負傷のために今大会では不参加となったが、そこでニクラス・フュルクルークと17歳ユスファ・ムココが招集を受けるということは、事前に予想されていたことでもあった。経験豊富でドイツ代表にはいなかった大型FWの点取屋として活躍する前者と、数々の最年少記録を樹立し今季からはドルトムントで定位置を確保した怪童は、ブンデスリーガで共に安定したパフォーマンスを披露。ただ経験値という部分では懸念材料という部分もあり、特にフュルクルークについては国際レベルではまだ実証できていない部分がある。

 改めてフリック監督は「とても良いチームだ」と胸を張り、月曜日にはオマーンに向けて出発する予定。総じて見てサイドバックでは世界に通用する選手という部分でコマ不足感は否めないが、攻撃面では創造力に富んだ、そして決定力のあるフォーメーションを形成するのに適した人材が揃ったとはいえる。まずは23日の日本代表戦で、いったいどういった顔をみせるだろうか。

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