2022/11/20

「同性愛者のような気持ち」FIFA会長がみせた失態

©️IMAGO/Shutterstock

 まさにその記者会見場はまるで映画館のホールのように素晴らしいもので、そしてそこでサッカーの試合と同じ90分間にわたって行われた、ジャンニ・インファンティーノFIFA会長による発表は、まさにその独演会というべきものとなっていた。「サッカーのこともテーマとして挙げてもらいたいものだ」という言葉を、今回の会見の席では自ら過去の記憶、そして欧州の歴史などを交えつつ体現しており、その中で繰り返し欧州について批判を展開。3000年前から行なってきた自らの過去を省みて、まずは謝罪すべきとの考えを示している。

 確かにインファンティーノ会長が指摘するポイントとしては、「世界が十分に分断されてしまっている」こと、「サッカーは戦争ではない」ということ、「欧州においても人権、女性、同性愛の権利が行使されるまで時間を要したこと」は正しい。ただそれによってヨーロッパ諸国が人権をできるだけ早期に求めることが、「カタールに対してモラルを押し付けている」と見方は誤りである。むしろ過去の過ちを省みた上で、その失敗をこれ以上繰り返さないようにするための動きなのだ。それを異を唱える人を捕まえて極論とし批判を展開していくというのはいかがなものか。人権を指摘することは決して「ダブルスタンダード」などではなく、説得力をもったものではないのか。

 サッカーのことを大事にしていこう。このチャンスを活かしていこう。その絶好の機会をFIFA会長は逸した。彼が指摘する「西側社会」で行われている極めて正しい議論に対して、それを反撃するために暴言を吐き、「今日は同性愛者の気持ちももってここに立っている」などと、ペーソスをたっぷり含んだ演出をみせるのではなく、もう少しは防御的に臨むべきではなかっただろうか?今回の90分間の試合、インファンティーノ会長がみせたものは、あくまでSHOWでしかなかった。

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