2022/11/20

FIFA会長のW杯開幕スピーチが波紋「西洋と東洋を対立させる危険性」

 ジャンニ・インファンティーノFIFA会長が行なった、カタール・ワールドカップ開幕スピーチはやはり大きな波紋を呼び、むしろ驚きと共に恐怖さえ与えるものとなった。人権団体アムネスティ・インターナショナルの経済・社会・文化的権利担当のスティーブ・コックバーン氏は、「人権状況に対する正当な批判を無視している」とし、自身のFIFAワールドカップ運営のため「移民労働者が支払わなければならなかった膨大な代償、そのことにおけるFIFA自身の責任を否定するものだ」と指摘。「平等、尊厳、補償の要求は、ある種の文化戦争として扱われてはならない。それらはFIFAが自らの規約において、守ることを約束している普遍的な人権なのだ」と言葉を続けている。さらにノルウェーのリセ・クラベネス会長は、インファンティーノ氏の物議を醸すスピーチを「危険なもの」と評価。CNNに対して「確かな根拠のある批判を、西洋のダブルスタンダードへと落とし込めたことは、あまりに行き過ぎたものだと思う」と述べ、「西洋と東洋を対立させようとするのは、少し危険な行為ではないのか」と説明。そしてこの印象的なスピーチへと至った、インファンティーノ会長自身がすでにプレッシャーに晒されており、改めて「これはカタールに対する批判ではない、FIFAと国際サッカー連盟に対する批判だ。」と強調した。

 またデンマークのピーター・メラーSDは「昨日FIFA会長の姿は衝撃的で、その瞬間このイベントの一部であることを恥ずかしくも感じた」とドイツ通信社に対してコメント。「デンマーク代表に関することしか話すことはできない」と前置きしつつ、「このワールドカップの数ヶ月前から、FIFAやカタールの状況に影響を与えようと、水面下でも努力してきました。私たちはここで『すべての人に人権を』というスローガンを掲げてトレーニングをしたかったのですが、FIFAによって拒否されています。私たちは数ヶ月前には虹色の腕章をつけてプレーすることを発表しましたが、しかしFIFAはワールドカップが始まる前日までコメントを出しません」と説明。なおFIFAはむしろそれへの対抗措置と思われる、独自のキャプテンマークのキャンペーン展開することを発表。「FIFAやサッカー全般の将来が少し心配になった」というメラーSDは、「「本当にこれでいいのか」という声が聞かれるようになりました。サッカー離れは加速していくでしょうね」と言葉を続けた。

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