2022/11/24

「言葉がない」トーマス・ミュラー、敗戦は「ショックだ」

 試合前にドイツチームは明確なシグナルを発していた。カリファ国際競技場での国歌斉唱の後、マヌエル・ノイアーやジョシュア・キミヒらがチーム写真に並んだ際、先発11人全員が口を覆って見せたのだ。 「我々が言葉にすることを禁じることはできない」、このジェスチャーにはFIFAが多様性と寛容性を訴えるための『One Love』腕章着用を禁じたことへの抗議の意味があったのである。

 そして試合開始から間も無く、オフサイドによって失点にはならなかったが、日本代表からの先制パンチを受けたドイツ代表は、それからは試合の主導権を握るなどピッチ外の騒音とは無関係な戦いぶりをみせており、「前半に関しては、またうまくやれていたとは思う」と、ドイツ国営放送に対してトーマス・ミュラーはコメント。「献身的で精力的なプレーをしていた」

 確かにその言葉通りに前半のボール支配率は80%以上で、イルカイ・ギュンドアンがPKを沈めたことでリードした状態で折り返し。だが別の言い方をするならばここで2−0とすることができず、後半に入っても好機でなかなかゴールネットができないまま、あとはサッカーではよくみられることだが、自分たちがチャンスを外すと手痛いしっぺ返しを喰らうというもの。「今は言葉がちょっとないね。本来こういう試合をしていれば、勝者となることが多かったから。でも僕たちは何1つ手にすることができていない」とミュラーはその心境を吐露。

 確かに日本代表は後半に4バックから5バックへと修正して、よりアグレッシブなプレーを展開できるようになってはいたが、それでも「僕たちの方が優位に試合は進めていた。ボールの有無に関わらず、相手にそこまで隙をみせていたわけではなかった。気合いは入っていたし、良い試合をみせていたという感覚はある。」だがここでもなかなか追加点を決めきれずに、「このような決定力しかみせられなければ、そしてあの2失点の時のような対処をしてしまっては、それで勝利をおさめるのはなかなか難しくなってしまうさ。まだショックが残っている」と言葉を続けている。

 これで前回のロシアワールドカップの時と同様に、残りの2試合にむけてドイツ代表は大きな重圧にさらされながら臨むことになった。確かにそれでも前回は、スウェーデン代表に2−1で勝利をおさめて挽回した経験はある。だが今回の相手は強豪スペイン代表。これは決してドイツ側が思い望んでいたシナリオとは程遠い。「今はひとまず振り払って、体力を回復させて、それからスペイン戦で勝利するための方法を考えていかないと」と、まだ力なくミュラーは言葉を結んだ。

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