2022/11/26

ドイツ代表:日本戦での敗戦後、長時間の「徹底討論」

©️IMAGO/Ulmer/Teamfoto

 ズーラール・ウェルネス・リゾートの内部ではいったい、何が起こっているのか。ワールドカップ・グループリーグ初戦での敗戦を喫した、あの時の先発メンバーについてどう受け止められているのか。そしていかにしてスペイン代表戦での早期敗退を回避できるのか。日本代表戦でみせた不甲斐ないパフォーマンスを思えば、ドイツ代表に多くの不安や疑問が抱かれるようになるのは当然のことであろう。

 バイエルン時代では輝かしい成功をおさめ、そしてドイツ代表監督としても就任から15ヶ月間期待を背負ってきたハンジ・フリック代表監督としては、そのためにチーム全体に広がる緊張感の緩和をはかり、そしてその26名のメンバーからこのプレッシャーに耐えうる選手を導き出し、そして7−0という大勝劇で得たスペイン代表の勢いに歯止めをかける術を見出さなくてはならない。過去20年のうち7試合でわずか1勝という数字からも、いかにこのタスクが困難であるかがわかるというものだが。

 「チームにこの道を行けば正しいと信じてもらえるようにすることだ」と語った指揮官は日本戦での敗戦後、チーム内の風通しをよくするためにミーティングを実施。そこでは試合後にも既に厳しい意見を述べていたノイアーら主力選手たちが、異例の長丁場のミーティングの中で改めて不足部分について指摘。守備面における抵抗力の欠如、相手ゴール前での決定力不足、アグレッシブさや一体感のなさなど、辛辣な内容であってもあの敗戦を思えば必要なことである。それが教訓となるか否かは日曜日次第だ。

 おそらくフリック監督はもうニクラス・ズーレの右サイドバック起用という策はとらないだろう。そして精彩を欠いたニコ・シュロッターベックの代わりにセンターバックへとスライドし、右サイドバックにはジョシュア・キミヒが緊急出動。以前には右SBでプレーしていたとはいえフリック体制では新しい試みであり、キミヒは中盤が本職だが必要に応じてプレーする用意があることは大会前から口にしていたことだ。

 中盤はイルカイ・ギュンドアンとレオン・ゴレツカが控えているが、ただこの両選手は特にうまく調和していたような印象を残しているわけではないが。日本戦では存在感をみせていたトーマス・ミュラー、そしてジャマル・ムシアラについては、攻撃的ポジションの中で適切は配置場所を見出さなくてはならないだろう。

 ただ選手それぞれの問題以前に、何よりもドイツ代表にとって重要なことは、この日曜の決戦に臨むにあたってのチームスピリットである。ギュンドアンが批判していたような、ピッチ上での消極性などみせている場合では無い。実際に今回のミーティングではそのことが話題に挙げられており、指揮官からのメッセージは「自分自身をみせる勇気をもつ」ということ。逆にいえば勇気をもった選手たちを選びださなくてはならない。
 
 マネージャーを務めるオリヴァー・ビアホフ氏は、「フリック監督は明らかに、痛いところも容赦無く突っ込んでいる」との印象を述べ、さらに「様々な個別協議が行われている」と説明。ただ「チーム内でゴタゴタがあるわけではないよ」とも強調しており、前回ロシア・ワールドでの敗退時との雰囲気の違いについて指摘している。

 「ロシアではすでに若手選手とベテラン選手との間で、強い緊張感が感じられていたんだ。だがこのチームは非常にバランスがとれ、1つの目標を追求している。それが何より重要なことだよ。もちろんいろんな考えをもっているものだが、ただそれはワールドカップで成功をおさめるという1つの目的に向かったものだよ」

 つまりは全てが全て、完璧に調和する必要がないとことであり、「11人が仲良しこよしなんていう御伽噺は、過去にも存在しなかった。たとえば1970年代に活躍したドイツ代表チームにおいても、中にはお互いで話さないひともいたわけ、ある程度の摩擦というのは好影響を与えるものではあるさ」とコメント。

 ただの仲良しこよしではなく、互いで切磋琢磨していき、そしてそこから新たな勇気を手にして「最初の決戦」であるスペイン代表戦では、「勝利をおさめなくてはいけないし、実際にそれがこのチームはできる」とビアホフ氏。そのためには前線での決定力の向上と、後方でのコンパクトさの改善について要求した。「調子が崩れることはある。ただ問題はそこから脱して秩序をともどせるか。それが成功をおさめられるかどうかの違いだ」

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