2022/12/02

まさに紙一重だった、日本とドイツの天国と地獄。

©️Getty Images

 これからドイツサッカー連盟では、いったい何故またしても主要大会で早期敗退を余儀なくされたのか、その原因解明に向けた分析作業に追われていくことだろう。そこではおそらく数多くの疑問点が浮上してくることではあるだろうが、ただ1つ言えることは今回ドイツ代表の決勝進出を分けたのは、ほんのミリ単位の誤差によるものだったということである。

 スペイン代表戦で田中碧が決めた決勝ゴールは、その後に数多くの写真が世の中で拡散される事態へと発展した。なぜならばその前の三苫からのセンタリングが、一度エンドラインを割ったものであるかどうかに大いに注目が集まったためだ。これがエンドラインではなくゴールラインであれば、もしくはオフサイドの問題であった場合には、審判員たちは3D技術を駆使して100%正確な判定を下すことができた。

 だがエンドラインの場合はビデオに頼るためにどうしてもグレーゾンが残る。そしてビデオ判定審判員は「エンドラインを越えていると、疑問なく証明することができなかったために、ピッチ上での判定が成立して得点はカウントされたのです」と、ルールの専門家であるルッツ・ワグナー氏は説明している。

 また仮にもしも主審を務めたゴメス審判員が、最初にノーゴールを宣告していたとするならば、VARとしてはこの判定を「覆す」という作業に入るために、まだボールがプレー続行中であることを証明しなくてはならなかったことになる。

 いずれにしても今回の判定は、今大会で最も長時間に及んだ判定劇となっており、最終的にはこれがドイツ代表の敗退へ、そして日本代表はまたしても強豪相手に逆転劇を演じて『死の組』首位突破へとつなげることになった。ただ忘れてはならない、それから日本代表がスペイン代表を相手にして、まだ40分間以上も守り抜かなくてはならなかったということを。

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