2022/12/03

独誌キッカー:ドイツ代表が早期敗退した10の理由

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1)決定力:ドイツ代表は今回の3試合で、実に合計60本以上のシュートを放ち、どのチームよりも「ゴール期待値(xG) 」で上回っていた。しかし日本戦ではPKによる僅か1点のみ、スペイン戦では最終局面での勝ち越しのチャンスを逸し、コスタリカ戦では序盤で大幅リードを奪い他会場にプレッシャーをかけることができていない。

2)守備力:3試合の全てで失点、合計5つというのは、準決勝進出を目標として掲げるチームにとっては、あまりに多すぎるものだ。フリック監督も手をこまねいたわけではなく、コスタリカ戦ではキミヒの右SB起用も決断したものの、最終的には改めて課題を露呈する結果に。ただリュディガーらCBも、そして守護神ノイアーも安定感をもたらすことはできず、そもそもドイツ代表は最近11試合全てで失点。むしろその問題を抱え続けている。

3)固執:バイエルン時代の三冠達成メンバー、ノイアーやキミヒ、ゴレツカやミュラーらを盲目的に信頼していたこと自体は、決して悪いことではない。ただ攻撃的MFであるミュラーを、スペイン戦で貴重な同点弾を決めていたフュルクルークではなく再びCFで起用したことは、長期離脱あけのベテランに対してあまりに固執しすぎていた感は否めないだろう。

4)中盤:キミヒ、ゴレツカ、ギュンドアンという実績ある3人を中盤で起用できるというのは、机上の上では見た目のいいものであり、スペイン戦のような試合では功を奏した。だが他の2試合ではフリック監督は苦心し日本戦ではゴレツカをベンチに、ギュンドアンを後半途中で交代して逆転負けに繋がっており、またコスタリカ戦ではキミヒを右SBへ。これも後半には過ちとして修正に追われるわけだが・・・。

5)軸:GKノイアーとCBリュディガーは固定できても、MFキミヒは右SBでも起用され、ギュンドアンはCMFとボランチとトップ下、ムシアラはウィングや時に中央など、中盤に関しては軸を定めることができていない。またピッチ上のリーダーシップという点でも中盤の選手たちは物足りなく、CBリュディガーからは闘志はみえたがプレーはついてこなかった。

6)質:2大会連続グループリーグ敗退、ユーロでは16強敗退など、すでに2014年優勝時のクオリティには及ぶものではないことは明白だ。長年SBやCFに関する問題が叫ばれながらも解決には至らず、またドイツの将来を担う逸材、ムシアラが育成された場所というのがイングランドであることも見逃せないだろう。

7)準備:冬季開催のためあまり準備を行えるような期間がなかった。そこを考えるとオマーンで気候順応のための合宿をする、そんな余裕をみせたことの方がよほど誤算だった。弱点解消に集中せずに文字通りの時間の浪費。オマーンとのテストマッチは予行演習のためではく、負傷者や選手の負担管理のために行われていたものだ。

8)宿泊地:カタール北部に100kmほど離れた場所を選んだことで、第2戦と第3戦に向けた前日の記者会見で支障をきたす結果を招き、また外と遮断された環境の中に置かれてしまった選手たちが、この大舞台において断固たる決意をもった集団となれなかった点も挙げられるだろう。

9)One Love腕章:9月に欧州7カ国は寛容性と多様性を訴えるため、One Love腕章の着用をFIFAに申請。だが事前承認を得られないまま現地入りし、最終的にFIFAの曖昧な脅しを受けた末に直前で撤回。マネジメントのずさんな対応が、チーム内へ不必要な不安と緊張をもたらす結果を招いた。

10)ファン離れ:開催国カタールやFIFA、そしてドイツファンからもそっぽを向かれたドイツ代表。それは如実に視聴率にも現れ、時期的な問題もあっただろうがファンフェスティバルも特に予定されなかった。むしろ潜在意識として、ドイツ代表の失敗を臨む気持ちがあったことが、8年前のような選手への更なる後押しへつながっていない。

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