2022/12/09
名将シュトライヒ監督、ドイツ代表敗退を分析。解説者にも苦言

©️picture alliance/dpa
本来ならば、まだまだいけたはずだった・・・。今夏のワールドカップにおいても、屈辱のグループリーグ敗退に終わってしまったドイツ代表。SCフライブルクを長年に渡り率いてきた名将、クリスチャン・シュトライヒ監督は地元メディアに対して、「ドイツ代表は考えられないほどに多く、得点チャンスを実際に手にしていたのだ。だがむしろディフェンス面で持ち堪えることができていなかったよ」と総括。「これには本当に苛立ちを覚えるね。これほどまで攻撃的にプレーしていくのであれば、その分だけ非常に優れたディフェンスをみせていかなくてはならない。全てのところでね。それこそが不足していたのだ。もしもそれがちゃんとできていれば、まだまだドイツ代表はいけたと思うよ」
そしてその不足が生まれた要因は、決して選手個人のレベルに関わるものではないという。「もちろんワールドレベルにはまだないポジションも存在した。そこははっきりとさせないといけないが、ただだからこそそこでチームとしては、いかなる犠牲心をもってでも一致団結して戦うことが重要だったのだよ。1億ユーロを払ってスター選手を連れてくるようなマンチェスター・シティではないんだ。そんなことは到底できないが、ただチームが皆で取り組んでいくのであれば、そこには多くの可能性が生まれてくるものだよ」まさにそれがブラジルワールドにおける、左サイドバックで本職ではなかった当時シャルケの主将ベネディクト・ヘヴェデスがみせた、見事な助太刀ぶりである。
だからこそ似たタイプである教え子マティアス・ギンターのような選手に、より多くの出番が巡ってこなかったことを残念にも思うのだ。まさにギンターは今季のブンデスリーガ前半戦において、「最もディフェンダーという言葉を胸に刻んだプレーをみせた、ディフェンダー」であり、フライブルクという決して財政的にも恵まれたわけではないクラブでブンデス2位、ヨーロッパリーグでもGL首位突破を果たすなど、その目を見張る飛躍を献身的なプレーで支えてきた。「残念には思う。ただ監督という立場についても勿論、理解している。選手起用は誰しもから理解されるようなものではない」
むしろシュトライヒ監督がより苛立ちを感じていたのは、試合後に目にした一部のテレビ解説者たちによるコメントだ。「ほんの数年前まで、自分だって同じ窯の飯をくっていた仲間だったというのに、(試合後に)そこに座って批判を口にしたり憤りをみせたり。しかも「そんなわけないだろう」と思う様な発言まであった」と述べ、「だからもう試合が終わったら、すぐにテレビのスイッチを切ることになるだろうね。そんなことこれまでしたこともなかったが。ただこれでCMも不適切なコメントも目にしなくて済むようにはなる」と言葉を続けた。