2022/12/13

東京五輪でドイツ率いたクンツ監督「ドイツの美徳が失われている」

©️IMAGO/Schüler

 2018年ロシア・ワールドカップと今年のカタール・ワールドカップにおける屈辱のグループリーグ敗退、そして1年前に行われたユーロでの16強敗退など、2014年のワールドカップ優勝をピークに不遇の時代に入ったドイツ代表だが、2021年に開催された東京五輪においてもグループリーグで敗退。

 その中で苦しいやりくりを強いられ、その後にトルコ代表監督へと就任したシュテファン・クンツ監督は、改めて「新しい担当者を雇おうがなんだろうが、その人物自体が変化をもたらすことができなくては無意味だよ」と、ドイツ通信社に対して厳しい言葉を述べた。「現在の仕組みにおいて、いったい何が変わっていないのか。それを考えることが重要なのだよ」

 先日には18年間マネージャーを務めたオリヴァー・ビアホフ氏が退団、そして今大会ではその采配に批判も寄せられたハンジ・フリック監督については続投となっているが、これについては「理解できることだ」とクンツ監督。1年前に就任し既にクラブ間との交流の活性化など、様々なアプローチを行いクラブからの信頼も高めている指揮官とともに、「今は落ち着いてじっくりと、サッカーの行く末を考えるべきだ」と説く。

 そもそも現役時代には自らストライカーとして鳴らしたクンツ氏の目からは、今回のカタール・ワールドカップに参加していた選手たち自身のその姿勢に疑問が向けられており、「限界まで出し切っていた選手はいなかった」と苦言。「そしてチームとしても、みんなが無条件に応援したくなるような、火花を散らすような姿を見せられていなかった」と言葉を続けている。

 つまりは選手のメンタル面、取り組む姿勢を問題視しており、「ヘヴェデスを左SBに配置してW杯を制していること。クリンスマン氏は決してネイマールのような才能はなかったこと。ただどの選手がプレーしようが、犠牲心をいとわずサッカーに勤しむその姿勢、チームスピリット、結束力が失われることはなく、世界中から評価されていたドイツの美徳が今は、失われてしまったという事だ」と語った。

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