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2022/12/14
ドイツ代表再建担うタスクフォース、豪華メンバーは無償で協力か

©️IMAGO/Schüler
昨日にドイツサッカー連盟ベルント・ノイエンドルフ会長は、2つのワーキンググループを結成し、決定権はないものの競技面と構造面におけるアドバイザリーボードの設立を発表。中でも競技部門を担うことになるタスクフォース、ノイエンドルフ氏とヴァツケ副会長、そしてルメニゲ氏、フェラー氏、ザマー氏、ミンツラフ氏、カーン氏らはユーロ2024に向けて、まずは何より18年のマネージャー職の任期を終えオリヴァー・ビアホフ氏の後継者計画への助言を行なっていくことになる。
「クリスマス前にまずは最初の会合を行い、そして年明けにはさらにそれを強化していきたい」とノイエンドルフ会長は火曜日の会見後、ドイツの国営放送ARDに対してコメント。「特にデッドラインを決めているわけではないが、速さも求められていることも承知している。だからこそ年明けはじめには集中的に取り組めるようにしていきたい」一方でカール=ハインツ・ルメニゲ氏はドイツの大衆紙ビルトに対して、「我々タスクフォースは、できるだけ早くに解散できるようになるべきだよ」と強調。その意味するところは、解散ができる状態になればすなわちドイツサッカーが正常な軌道へと戻ったことを意味するものであり、「結果を出すためには量より質が何よりも重要なのだ」と説く。
なおこのワーキンググループに関しては、決して全ての関係者から好意的な目でみられているわけではない。例えば女子代表GKアルムト・シュルトはARDに対して、多様性が脇に置かれていると指摘。これにノイエンドルフ会長は「正しい」と認めつつ、「我々は当初より人物像として男子代表でプレーしたことのある人、ドイツサッカー連盟に関わった人、さまざまな人脈を持っている人、多くの経験を持っている人を挙げていた。これらの専門性という点で議論の余地がないメンバーだ。今回、多様性は求められた要素ではなく、それは別の部分で行なっている。またこれらの5人には社会からの受け入れレベルの高さも持ち合わせている」と付け加えた。ちなみに女子代表のマルティナ・フォス=テクレンブルク監督も多様性の不足と共に、「個人的には国際性という点で少し物足りなさも感じる」という。「既成概念にとらわれない発想は良いことではないか」
またかつてシュトゥットガルトで代表も務めたトーマス・ヒツルスペルガー氏は、まず2つのワーキンググループが同時に動いている現状に疑問を呈して「まずはラーム氏らのドイツサッカー連盟のグループが動きにでて、それをタスクフォースが入ってきて大丈夫だといえる体制にしないと」と提言。マネージャー候補には「どういった人材がでてくるか興味深い」としつつ、仮に現在噂にあがるフレディ・ボビッチ氏を「5人で推薦するなら笑っちゃいますね。そのためならワーキンググループは必要ない。もっといろいろ出てこないと」とし、加えて「ボビッチ氏は素晴らしい移籍を実現させ良いネットワークももっている。だがそれはドイツサッカー連盟が求めるものだろうか?むしろ選手に寄り添い、ロッカールームの雰囲気を理解できる必要がある。そして才能ある選手たちとコーチ陣がうまく機能するように取り計らえなくては」と述べている。
ただいずれにしてもどうやらこれらの参加者は、金銭的なインセンティブという、外発的な動機付けによって招集されているわけではなく、むしろ無償で職務を担うことになるようで、ノイエンドルフ会長は「先週に彼ら全員に声をかけて、意欲があるがどうかを確認したんだ。そして非常に高いレベルの意欲を示してくれた。支払いの問題は全くおこってはいない」とコメント。つまりは「誰もが喜んで参加してくれている。一緒に考えていこうという内発的な動機が高い。どうすればドイツ代表を再び成功へと導けるのか。それが原動力となって、そして我々全員を駆り立てて、そして話し合いへと臨んでいるのだ」と語った。