2022/12/14

ドイツ代表の現状を憂う、ルメニゲ「ユニフォームが恥ずべきものに」

©️picture alliance/dpa

 火曜日にドイツサッカー連盟のベルント・ノイエンドルフ会長は、自身とヴァツケ副会長に加え、5名のエキスパートからなるタスクフォースの結成を発表。まずは18年間マネージャーを務めてきたオリヴァー・ビアホフ氏の後継者探しをサポートすることになるのだが、それと同時に参加するカール=ハインツ・ルメニゲ氏は、ドイツ代表周辺における雰囲気を向上させていきたいとも考えているところ。「この国において、最も重要なクラブは決して、バイエルン・ミュンヘンではない。ドイツ代表なのだ」

 ドイツの大衆紙ビルトに対してそう語った元欧州クラブ協会会長は、現在開催中のカタール・ワールドカップでの経験も教訓とすべきであることを強調しており、「私自身ドイツ代表として95試合に出場してきたが、国歌を耳にした時の言葉で表現し尽くせない感覚を覚えている。だがカタールではアルゼンチンファンが自分たちのユニフォームを誇りをもって着用していたのに対して、ドイツではむしろ恥ずかしささえ感じているように見えた。これを変えていかなくてはならないということ。だからこそ今回、ノイエンンドルフ会長やヴァツケ副会長からの協力要請に応じた。当然のことだよ」と説明。

 2000年にはウリ・へーネス氏、ルディ・フェラー氏、ライナー・カルムンド氏らと共にタスクフォースに参加した経験ももつ元バイエルン代表によれば、「当時ブンデスリーガとドイツサッカー連盟との間には連帯感が見られ、それが多くの大会における基盤になっていた」とのこと。ドイツ代表は今回と同様に母国開催のW杯の2年ほど前のユーロでグループリーグ敗退を喫する高次元の緊張感の中で、前述のビアホフ氏と監督未経験だったクリンスマン氏と共に、後に長年ドイツ監督を務めることになるヨアヒム・レーヴ氏を招聘。その結果2006年大会ではドイツはW杯に熱狂しチームも3位でフィニッシュ。その後の飛躍へと続いていく。「サッカー関係者が、力を合わせて臨んでいけば、必ずこれは実現可能なはずだ」と身をもって知るルメニゲ氏。

 そこで必要なのは救世主誕生ではなく、忠誠心と調和の心をもって互いに協力し合える”チーム”という存在だ。「タスクフォースとしては数をもって行動するのではなく、あくまで質に特化した取り組みをみせていかなくてはならない」その点でドイツサッカー連盟は「過去3大会において、毎回タイトル獲得という野望を掲げて戦ってきた」が、その結果で大きな失敗を繰り返しており「もう少し謙虚になり、もっとサッカーに集中すべきではないか。とりわけ最近は余興が多すぎるね」と「政治」色についても言及。ロシア大会ではエルドアン大統領問題、そして今回はOne Love腕章問題に揺れ、実際に最終的には共にグループリーグ敗退という結果に終わっている。

最初の会合は木曜日

 そのための「最初のミーティングは、木曜日にも行われる」ことも明かしたルメニゲ氏は「まずは意見交換し、議題を設定して、タスクフォースに期待されることを遂行していきたい。ブンデス、代表、連盟が一致団結することが重要なのだ。我々はドイツサッカーのために忠実に、協力しあっていかなくてはならないよ。もはやエゴをいっているような時代ではない。ビアホフ氏の後任についてはまず、どういった人物像なのかをはっきりさせないと。彼が行なっていた仕事の質的な意味においても、そして量的な意味においても、果たして何人でそれをカバーしていくことになるのか。そういったことも考えて行かなくてはならないのだ。それからその職務内容に基づいて、次の候補者を探すことになるよ」と語った。

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