2023/02/04
マヌエル・ノイアーが語るW杯での失意、友人の退団、そして足の骨折

©️IMAGO/Ulmer/Teamfoto
金曜日に発売された南ドイツ新聞におけるインタビューの中で、マヌエル・ノイアーは長年連れ添ったタパロヴィッチGKコーチの解任について、「これは非常に辛いものだった。これは僕やタパロヴィッチ氏にも突然訪れたもので、当初はまったく理解できずただ驚いていた」と明かした。今冬のノイアーは主将として臨んだ2度目のW杯で再びGL敗退、その後のスキーツアー中に下肢を骨折し、そのためヤン・ゾマーという強烈なライバルを2025年までの契約で迎え入れる結果に。さらにシャルケ時代より連れ添ってきた仲の良い友人までも失うことになっている。「心が張り裂けそうな思いだった。キャリアでも最も辛辣な。僕は本当にいろいろ経験したけど」とノイアー。シャルケから移籍する時のファンからの反応よりもつらいものだったという。
実際にGK陣のみならずタパロヴィッチ氏については「チーム全体からの人気もあった」ようで、kickerでも非常に驚きを覚えている関係者もほかにいたことが確認できている。「納得できるような理由は特になかった」とノイアー。ナーゲルスマン監督は先日「期待していたような団結が生まれなかった」と説明しており、タパロヴィッチ氏がコーチングスタッフの内部情報をノイアーの伝えたという噂もあるが「それは100%否定できる」と強調。そして「自分の身の振り方も考えた」そうだが、ただ首脳陣からは「今回の退任と僕のことは無関係だいわれた」という。それでも「大きな失望」とともに心に痛みを伴ったことも否定せず、「僕らは家族のような存在でありたいと思っているけど、でもいままでなかったようなことが起こってしまった。それはとても残念なことだよ」と言葉を続けた。
その一方でノイアーはスキー事故のことについても振り返っている。ワールドカップ終了まで予約をとれなかったことから「本当に辛い思いで」2週間は自宅で過ごさなくてはならなかったようで、「ワールドカップの試合は最初は全然みたくなかったけど、どんどんイライラが募って。それで初日に10キロ、翌日にも10キロを走ったよ。そんなGKはいないだろうけど」とコメント。「心理学者と話をして、僕の場合はまずランニングをして、それからハイキング、4日目から地元の友人とスキーツアーにいった。30年以上スキーをやってきた僕にとっては、ちょっとパンを買ってくるようなものさ。ウェアをきて山を登り坂を降る。」
ただ「幾度となく滑ってきた」慣れたコースで、しかも「子供の誕生日」という日に、「雪の下に何かがあって、それで止まろうとした。時速で10キロとか12キロ程度だったと思う」と、批判されていたリスクマネジメントの軽視という点では反論を述べており、だがそれでも負傷によりクラブに失望を与えてしまったことへの申し訳なさは痛切に感じている。「グループチャットですぐに写真とともに謝罪した。電話で関係者と話をして本当に申し訳ないと伝えたよ。僕はそこでコソコソするタイプではない。しっかりとどういう経緯があり、なぜこのことが起こったのかをちゃんと説明した。」
そこで首脳陣は大きなショックを受けつつ、ノイアーとは適度の距離を保っていたという。「それは理解できることさ。そもそもW杯後の選手の落胆に対処すること自体が難しいこと。それから新しいGKを迎えている。そのことについて、僕が特に相談を受けたわけではない」その上で改めてノイアーは、現役続行への意欲を示して「明確な復帰への道があるから。暗中模索というわけではないし」と返答。ドイツ代表続投にも意欲をみせ、フリック監督も「明確に復帰を想定している」とのこと。「無論、活躍ができなければそれを譲ることにはなるだろうけど、でも、それは期待しないで大丈夫だ」と意気込みをみせた。