2023/03/10
国際プロサッカー選手会、冬季W杯開催による過密日程の影響を指摘

©︎picture alliance/dpa
今冬開催のカタール・ワールドカップでの影響など、以前より過密日程の影響が指摘される中で、国際プロサッカー選手会【Fifpro』の分析によってその実情が明らかとなった(対象期間は昨年7月1日から今年1月30日まで)。それによればおよそ55%の選手が、元旦には既にクラブにて仕事を再開しており、なかでもカミル・グリクに至ってはW杯で4度フル出場しながら、わずか4日後にはセリエBベネヴェント・カルチョにてプレー。またラファエル・ヴァランはフランス代表として決勝に臨んだわずかその8日後にマンチェスター・ユナイテッドで復帰。ちなみに2月初めには29歳という若さで代表引退も宣言している。
Fifproのジョナス・ベア=ホフマン事務局長は、「の次のレベルにまで達しているといえるでしょう。今回のヴァランの決断は、サッカーの主催者側に激震を与えるものでは」とコメント。ただFIFAやUEFAむしろ大会の更なる拡大を計画しているところであり、そのような気遣いは微塵もみられないが・・・。ちなみにFifproの調査資料では選手の退会後のリカバリー平均期間は37日からわずか8日に減少。プレミアの再開はクリスマス明けでブンデスよりも3週間以上早かったのだが、この大会で最も多くの時間でプレーしていたのはプレミアリーグの選手。スペインもプレミアと3日遅れで再開しているが、クラブ単位でみればバルセロナの選手の出場が最多となっていた。
さらにアンケートも実施。調査対象となった選手の86%がW杯前2週間の準備期間、そして終了後には2週間から4週間の回復期間を希望していたが、最終的に大会後には20%が例年よりも精神的な疲労を感じていると告白。肉体的な疲労につては44%がイエスを解答した。また53%が過密日程と負傷との関連、リスクを指摘しており「もはや傾向は明らか。疲労や怪我がパフォーマンス低下を引き起こすのです」と、Fifproのグローバルポリシー・戦略的関係担当アレクサンダー・ビーレフェルト氏はコメント。報告書ではオランダ代表のファン・ダイクやフランス代表のチュメアニが抱えた、同じ下肢に対する同じような期間の離脱について指摘し警鐘もならしているが、ただ前述のようにこの負のスパイラルが止まることは恐らくはないだろう。