2023/03/10

直接対決ではメッシを圧倒のミュラー「ロナウドの方が僕たちには厄介かも(笑」

©︎IMAGO/Ulmer/Teamfoto

 「今日は午前4時にでも眠りにつければ良い方だろう」とパリ・サンジェルマン戦での勝利後、アドレナリンが全開のトーマス・ミュラーは興奮気味にそう語った。ロッカールームの雰囲気も最高潮で、それもそのはず。パリ・サンジェルマンのみならずインテル、バルセロナを含めた8試合で8連勝を収めて見せたのだ。ハイナー会長も「欧州のどのクラブとも渡り合える素晴らしいチーム。我々以上のチームはいないだろう」と胸を張る。

 ただこの日キャプテンを務めたミュラーはそこでは少し慎重で「それぞれが自分たちが1番であると思うものだよ。事実としては僕たちは優勝候補の一角を閉めているということであり、チームとしてもそれを目指していると言うことさ。だからまったくそれは問題ではないし、ただまだ先は長いということでもある」と説明。「満足して眠りにはつけるけどね。ああいうチームに対して2試合とも失点せずに勝利できたし」

 実際にミュラーのみならず若手のムシアラも「これで終わりということではないからね、全ての試合でこういうパフォーマンスを見せていくと言うことだよ」と気を引き締めており、ジョシュア・キミヒも土曜日のアウグスブルク戦にむけて「もうこの試合のことは誰も話さないから」と語った。確かにかつてバイエルンはアウグスブルクにて足を救われた苦い記憶がある。

直接対決ではメッシを圧倒するミュラー

 またトーマス・ミュラーにとっては3度目のチャンピオンズリーグを優勝を目指す上でも道のりは遠い。ちなみに今回対戦したリオネル・メッシは、その2倍となる4度の優勝を誇っているところ。しかしながら実は両者による対戦となると6試合中5試合でトーマス・ミュラーの側に軍配があがっており、加えてアルゼンチン代表戦においてもミュラーは2勝。対戦全8試合でのミュラーとメッシの成績は、得点数6:2、アシスト数2:1と個人スタッツの面においても上回っている。

 「確かにどちらにしてもメッシに対しては、良い結果が得られる傾向にあるね。クラブに関して言えば僕たちにとってむしろ厄介な相手だったのは、クリスチアーノ・ロナウドの方だろう(笑、オフサイド気味な時もあったけど」と、2017年のCL準々決勝敗退を引き合いに出しながら笑顔をみせたミュラー。

 ただ「11月、そして12月に行われたワールドカップで見せた、メッシのパフォーマンスには最大限リスペクトしているよ」と強調。「あれは正気の沙汰ではなかった。彼がチーム全体を支えていたんだ」と賛辞を送りつつ、同時に「パリ・サンジェルマンのようなチームでプレーすることは容易ではないだろうね」と指摘。「そこで本当に良いチームバランスをとることは本当に難しいんだ。あれほどの個の能力に優れた選手が揃っていれば多くの試合で勝利することはできるものではあるけど」と言葉を続けた。

スター軍団に黙々と対峙したスタニシッチ

 例えばそれはこの日に見せたキリアン・エムバペの苦労にも表れているかもしれない。出場停止にあったペンジャマン・パヴァールの代役として起用された、ヨシプ・スタニシッチはダヨ・ウパメカノとの連携で稀代の快速ストライカーを封じ込めることに成功しており、これにはサリハミジッチSDも「見事だった」と脱帽。「しかもうちのユースで育成してきた選手だよ」とさらに胸を張る。この大一番で22歳の若武者は冷静沈着に、なおかつ妥協を許さない対人戦での姿勢をみせてスター軍団に対峙。今冬に獲得したもう1人のライバル、ジョアン・カンセロは試合終了前に投入されるほかなかった。

 しかしながら今冬補強の目玉であるスター選手については、「後塵を拝する」と現時点でナーゲルスマン監督は認めてはいるものの、サリハミジッチSDは「練習やプレーで思うようにいっていないから。ただうまくコミュニケーションははかれているし、選手として優れているからね。これからまだまだ重要な選手になっていってくれることだろうさ」と、チームに溶け込んでいきながら今後の重要な局面までに、大いにその能力を発揮する活躍をみせるよう期待していた。

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