2023/03/21
1年後の自国ユーロ開催に向け、ドイツ代表が掲げるテーマと課題

©︎IMAGO/Hartenfelser
選手層の厚みをはかりたいドイツ代表では、U21代表との密接な連携を意識的に実践。現在はフランクフルトにあるDFBアカデミーにて両チームが肩を並べ、刺激しあいながら「連動性を重視」して成長を促している。そこにはtzとのインタビューでジョシュア・キミヒが驚くほどに主力候補者不在(ロイスやギュンドアン、ミュラー、ズーレ、サネ、リュディガーら)というものだが、、今回は敢えてU21代表から一時的に5人を昇格させたフリック監督は「あらゆるポジションの可能性と選択肢」を試して「この中から来年のユーロにいける可能性をみいだしたい。パフォーマンスさえ良ければA代表への扉は常に開いているんだ」と期待。マネージャーを務めるルディ・フェラー氏もたとえば、1982年のU21欧州選手権は1990年のローマ大会で、2009年は2014年W杯優勝のベースになったとの考えを示す。 とはいえムシアラやヴィルツといった逸材はA代表に定着、加えてコチャプ離脱で主将ティアウが緊急招集を受けるなど、ディ・サルボU21代表監督の道のりは決して平坦なものではないだろうが。
「一体感」「前向きさ」「新戦力の統合」
一方でらドイツ代表が取り組むべき課題は若手との融合だけにとどまらない。今冬開催のワールドカップで改めて露呈したディフェンス面における脆弱性を解消し、再び気迫のこもったパフォーマンスで良い結果も手にすることができれば、ファン離れに歯止めをかけて再び心を取り戻していくこともできるだろう。フェラー氏は実力的に世界最高峰との距離がそこまであるとは見ておらず、むしろ「アルゼンチンやモロッコのようなチームには一体感があり、チームスピリットが備わっていた」と振り返った。「我々もまた自分たちがもつサッカーのクオリティと、それを組み合わせていくことこそハンジ・フリック代表監督最大の課題ということになる。そこで迎える自国開催のユーロは非常に特別な舞台となるものだよ」とフェラー氏。キミヒもそれに向けた今回の母国開催2試合のテストマッチから「特別な意味を感じている。決して普通のテストマッチではない。1つ1つが大事な準備であり常に勝利していかないと」と危機感を募らせる。14人が参加したこの日の初練習後にマリオ・ゲッツェは、今冬のW杯を振り返りつつ「結果をみれば本当に辛いもの。だけど素晴らしいサッカーを心待ちにしているし、それが尽きることはない」とし、「期待感とエネルギー」、「新戦力を落ちついた環境で統合」して「とにかく前を向いて取り組むこと」を強調した。