2023/03/22

メスト・エジルが34歳で引退を発表。「この舞台を去る時がきた」

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 メスト・エジルが34歳で現役生活にピリオドを打った。「熟考を重ねた結果、プロサッカー選手としてのキャリアをすぐに閉じようと思う」と自身のSNSにて投稿した同選手は、「約17年間に及び、プロサッカー選手という特別な道を歩むことができた。この機会をとにかく感謝している。ただここのところは負傷もあって、この大舞台から降りる時が来たと実感していたんだ」と言葉を続け、家族や友人、ファンたちに感謝の気持ちを伝えた。「忘れられない瞬間と、感動に満ちた素晴らしい旅だった。今は妻と2人の素晴らしい娘たちと共に、この先に待ち受ける全てのことにワクワクしている。またSNSで報告できるはずだ」

 2014年にはブラジルW杯で優勝を果たした同選手は、ブンデスリーガではプロデビューを果たしたシャルケ、その後の飛躍を遂げたブレーメンにてプレー(ブンデス通算101試合で13得点)。その後はレアル・マドリードへと移籍し、アーセナル、フェネルバフチェ、そして最近ではイスタンブールBBSKに在籍。ただ本来は今季いっぱいまでの契約を締結してたものの、負傷などもあって出場はわずか7試合にとどまっており、本人は否定していたが先月の時点で、エジルの現役引退の可能性がすでに取り沙汰されていた。

  ドイツのトッププレーヤーの1人にまで成長した攻撃的MFは、ドイツ代表としては通算92試合に出場して23得点をマーク。2010年の南アフリカワールドカップで活躍し、2014年のブラジルワールドカップではシャルケ時代の同僚ヘヴェデスと左サイドを形成。全試合で先発出場を果たして優勝とキャリアの絶頂を迎えるが、2018年のロシアワールドカップではトルコのエルドアン大統領問題に端を発し、その後は当時のドイツサッカー連盟会長を非難して代表引退を発表。さらにアーセナルやフェネルバフチェでも、すったもんだの末の退団劇を演じる結果となり、前述のエルドアン大統領と関係の深いイスタンブールBBSKで再起をかけたものの、負傷に泣かされる日々を過ごしていた。

ドイツ代表フリック監督「トッププレーヤーの1人」

 ドイツ代表ハンジ・フリック監督は、「ドイツ代表における優れた選手の1人」と称賛。「全盛期には彼は世界のトッププレーヤーの1人となっていた。およそ10年間に渡って代表チームの形成に貢献してくれており、そのハイライトは2014年のW杯優勝への貢献だろう」と評価し、当時はSDだった同氏は「彼との仕事はとても楽しかったよ。テクニックも試合における洞察力も素晴らしいものがあった。代表全員が彼と彼の家族の引退後も多幸が続くことを願っている」とエールを送っている。

ドイツ代表、キャプテンマークはドイツカラーに

 なおロシア・ワールドカップに続きドイツ代表ではカタールワールドカップにおいても、いわゆる「One Love腕章」問題に揺れることになるのだが、フリック監督の意向により来年のユーロでの開催にむけ、ドイツの国旗をあしらった黒と赤と金をキャプテンマークとして着用することを発表。キミヒやノイエンドルフ連盟会長らとも協議したという、マネージャーのルディ・フェラー氏はSport Bildに対して「ドイツの色からスタートを切るべきだ。それで全てがまるくおさまる」と語っていた。「これら3色は民主的価値、多様性、尊重、共同体を象徴しているんだ」

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