2023/03/23
ドイツ代表2度目の招集も、すでに風格漂うニクラス・フュルクルーク

©︎Getty Images
ニクラス・フュルクルークがドイツ代表デビューを果たしたのは、昨年末に行われたカタール・ワールドカップでのことだ。しかしながら2度目の代表招集となる今回、はじめてフランクフルトで代表選手として本格的な練習に臨む姿は、まるで長くチームの主力であったかのような落ち着き払った印象だ。この日の会見にマリウス・ヴォルフとケヴィン・シャーデは確かに初招集だが、ともに参加したヴェルダー・ブレーメンのストライカーは、まるで彼らの父親のような雰囲気で、「このチームには良いハーモニーがある。僕自身もとても暖かく迎えられたし、それを経験した者として、それを僕も示していきたいと思っているよ」と述べている。
その人間性こそが、ハンジ・フリック監督がカタール・ワールドカップにおいて、ニクラス・フュルクルークをそのプレーとともに高く評価した理由である。30歳のベテラン選手は、明確な立場を示し、外部にそれをしっかりと示すことができる人材。フュルクルークはあらゆる問題に対して的確に対応し、ワールドカップ中に話題となったキャプテンマークについても、ドイツの国旗の色が採用されたことを歓迎すると同時に、「サッカーに焦点を合わせていくことが重要だ。本来、そうあるべきであり、そこから学ぶことがとても重要だ」と語った。つまり「サッカーのために全身全霊を傾けること」をシグナルとして発信することが重要だと考え、良い流れを生み出すことに情熱を注ぐということ。
フリック監督も、前向きな雰囲気を醸し出すために、フュルクルークが不可欠な存在であると見ており、実際にフュルクルークはカタールで重要なゴールを決めてドイツ代表に一縷の望みを与えた後、ブンデスリーガで昇格組ブレーメンをその決定力で支え続けているところ。しかし大型FWはそれでも「あのワールドカップで得をしたドイツ代表は誰もいない」と強調しており、「僕から見れば、ジョーカーとして得点できたという面はあるが、やはりグループリーグ敗退という苦い経験もあるから」と指摘。
そんななかドイツ代表としての新たな船出を迎える今、フュルクルークはティモ・ヴェルナーとともに2トップが繰り返しテスト。このことについて「2トップには利点がある。それだけ逆方向にも動けるようになるし、より柔軟にプレーしていけることができるだろう」と説明し、さらに「ドイツ代表には様々なタイプのストライカーが揃っているので、こういった点でも安心感があるね」と大型FWはコメント。もはやこの短期間でピッチの内外にわたり、チームにおいて確固たる地位を築いたという風貌さえも見て取れた。