2023/03/24

キミヒ、ドイツ黄金世代後が「『ブリキ世代』と言われないように」

©︎IMAGO/Sven Simon

 今冬に開催されたカタール・ワールドカップにおいても、再び屈辱の敗戦の味を噛み締めながら、大会を後にすることになったジョシュア・キミヒ。敗退直後には「ぽっかりと、大きな穴が空いた感じがする」と漏らし、ドイツ代表の不振が自らの名前と共に結び付けられることへの恐怖心を漏らしていたものの、ただその後は妻と3人の子供たちに心を救われ、今は前向きな気持ちで「ドイツ代表で、とても良いスタートを切ったと思うよ」と語る。

 フィリップ・ラーム主将を中心としたドイツ代表黄金世代は、主要大会では常にベスト4以上の成績を残しただけでなく、2014年ワールドカップでは遂に世界の頂点にまで飛躍。ユーロ2016をもってキミヒやゴレツカ、サネらいわゆる『95/96世代』に受け継がれていくことになるのだが、その出だしとなった翌年のコンフェデで幸先よく優勝を果たすも、その後のワールドカップでは2大会連続で屈辱のグループリーグ敗退。

 ユーロ2021でも決勝トーナメント初戦で敗退。さらに新たに導入されたネイションズリーグでも芳しくない成績で、本来ユーロ予選に参加しないこの夏は貴重な公式戦の舞台としてファイナル4に立ちたかったものの、それすら叶わずに引き続きテストマッチを重ねてユーロへの準備を進めていく。特にドイツ代表はテストマッチでは良い結果を残しつつも「特にワールドカップやユーロ、そしてネイションズリーグにおける戦いは酷いものがあった」ことを思えば尚更残念な話だ。

 これまでキミヒはドイツ代表の一員としてその期待に応えられていないことを指摘しながら、「もしもこれから15年後に自分たちのキャリアを振り返ったとき、本来は良い選手たちが揃っていたのに、何もできなかったなんで振り返りたくはないんだ」と苛立ちを募らせつつ、徐々にその時間も経過しチャンスも少なくなっていく中で黄金世代の跡が「ブリキの世代」にならないよう、このフラストレーションをモチベーションに変えて臨んでいるところ。「特に自国で開催されるユーロという、絶好の機会を手にしたんだ。これまでの教訓をここでぜひ活かしたい」 と意気込みをみせた。

 特にノイアー離脱という中で主将を任されている身としては、文字通りチームを牽引する存在となっていきたい。「無論それはピッチの内外に渡ってね」とキミヒ。チームの目指す道としてカタールで優勝を果たしたアルゼンチン代表をあげながら、「彼らは大会に入る前に勝利をおさめて勢いに乗っていた。とにかく勝利をおさめて初めて成り立っていくものだと思う。」とドイツ代表が抱える問題点について指摘。国民の支持を得られるよう「そこに立ち帰らないと。勝てない試合があまりに多すぎた。それで試合を見ている人たちに応援してくれなんて虫が良すぎる話というものだよ」と言葉を続けている。

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