2023/04/05
バイエルン:トゥヘル監督、PK献上のムシアラと「気迫の欠如」に苦言

©︎IMAGO/Oryk HAIST
火曜日の夜に行われたSCフライブルク戦にてバイエルン・ミュンヘンは、最初のタイトル獲得失敗という1つの現実を突きつけられることとなった。ドイツ杯8強の出だしは前半19分にダヨ・ウパメカノが幸先よくヘディングで先制、確かに両手を相手MFエッゲシュタインに乗せていたことから物議を醸してはいたが、VARも介入せずトゥヘル監督も「明らかな誤審とまではいえるものではない」と審判団の判断を支持する。
ただ最後の決め手となったのはその審判から、ジャマル・ムシアラによるペナルティエリアにおけるハンドがPK献上という判断が下されてのものとなったが、指揮官はそれでもこの判断についても支持。むしろ若きドイツ代表に対して「最近ではペナルティエリアにおいて、あのような形の飛び込みは許されるものではない。あれはいけない、不必要にリスクを高めるだけだ」とTV局スカイとのインタビューで戒めの言葉を寄せていた。
しかしながらこの場面における戒めは、ムシアラだけに止まるものではなくその場面に至るまでの経緯、つまりはペナルティエリアにおける2度の空中戦を連続で敗れたことにも不満を抱いており、「もっと体を張って、もっと安定感をもって、もっとタフになっていかないと」と要求。基本的にこの試合では「良い場面」も見受けられ、気迫の欠如といった部分はなく誰もが全力を尽くしてはいたのだが、ただ「タイトに相手が深く守っている時の打開力」など「詰め」の部分の甘さを指摘。「力強さと気迫を維持するということ、これが少し課題となっている」と総括している。
「確かに辛い敗戦ではあるよ、もう取り返しはつかないのだから。辛いものがあるし、なかなか気持ちの整理のつくものではない」と、トゥヘル監督。トーマス・ミュラーも「とても残念な試合となってしまったし、これを分析していくのは決して容易なことではないだろう。この試合の結果について口にすると、怒りが湧いてくる」とその心境を吐露。ジョシュア・キミヒは「特にこの2年間でのドイツ杯の結果を思うとね。不必要な敗戦だったと思うし、基本的にリードしながら敗戦するケースが多すぎる」と語った。
キミヒ「怒りを気迫に変えてプレーに反映」
2年前にはブンデス2部のキールを相手に、昨年はグラードバッハに0−5という歴史的大敗でドイツ杯敗退を繰り返していたバイエルン。それだけに今回は期するものがあり幸先よく先制点も決めていたのだが、そこから相手MFへフラーによる見事なゴールで同点とされ、またクレバーなフライブルクの守備によりギャップは埋められスペースはなかなか見出せず、特に後半ではあまりバイエルンも動きを見せられずにいる。「自分たちに物足りなさを感じたことも否めない」。とキミヒ。それは「気迫」や「情熱」といった部分に加え、発想力や展開力という点についても挙げられるだろう。「それではなかなか勝利にはつながらないものだ」
確かにトゥヘル監督の就任というカンフル剤によって「やっていかないとという気持ちが出ることを期待していた」というキミヒ。1年以上に渡ってバイエルンが抱え続ける「技術や戦術的なことではなく、こういう感情的な部分について僕達は意識していた」ものの、今回のフライブルク戦ではまたしてもそちらの顔を露呈する結果となってしまった。この解決のためにはどう取り組むべきなのか。「難しいね」と力無く笑顔をみせたキミヒ。「タイトルを逃すごとに怒りが出てくる。今季もそれがでてしまったし、これでは盛り上がらない」と述べ、「みんなで盛り上がっていこう」とコメント。「見失わないようにしないと。十分に今日は辛い日だ。ただこの怒りを気迫に変えプレーで表現していかないといけない」と言い聞かせていた。