2023/05/08
バイエルン、トーマス・ミュラーのベンチを「受け入れる」姿勢を称賛

©︎Getty Images
週末に行われたヴェルダー・ブレーメン戦でも、バイエルン・ミュンヘンのトーマス・トゥヘル監督は、トーマス・ミュラーを再び先発から外す決断を下した。このことについて指揮官は、試合前スカイに対し「どの試合もトーマス・ミュラーが先発する可能性がある」と強調しつつ、バイエルンではこのような「ギリギリの判断」というものが避けられないとも指摘。今回はヘルタ戦と同じく、ミュラーが苦手とみる「ワイドなプレーが要求される」ことから、サディオ・マネとキングスレイ・コマン、そしてセルゲ・ニャブリを優先して起用している。
ただ少なくともスタッツの上でみればミュラーは、ブレーメン戦では20勝3分とブンデス記録となる23試合連続無敗という好印象をもっているクラブであり、個人スタッツでも10得点18アシスト。そういった背景も今回の議論を呼ぶものとなったが、「私はトーマスの大ファンだよ。(その役割が)彼自身にとって喜ばしいことではないとはわかっているが」とコメント。さらにトゥヘル監督がミュラーのバイエルン時代に終止符を打つ監督になるか?との問いまで寄せられると、苦笑いで「目の前の試合に集中している」と述べた。
また試合後にもトゥヘル監督は、「トーマスは大好きな選手だ」と強調。「このような決定にはなかなか慣れないものかもしれないが、それでもトーマスが今みせている受け止め方は本当に見事なもので、自身には特別な役割があることを理解しているし、私もそう考えている。それを彼に感じてほしいと思ってるが、それは単純に出場時間ではかられるものばかりではない」としており、オリヴァー・・カーン代表は「ロッカールームでのミュラーの姿を見たが、あれこそバイエルン・ミュンヘン。ウォーミングアップに行く際にも声をかけて必勝を促していたが、この容易ではない状況を受け止めてポジティブに前を向いている」と明かしている。
実際にそんなロッカールームの様子については、ニャブリからも「今回の勝利は本当に重要なもので、さっきロッカールームの雰囲気はものすごいものがあったよ。歓声も上がったし、監督からも良いスピーチをもらったし、チームみんなで鼓舞しあえていたんだ」と称賛。またそんな選手たちの、ピッチ上におけるパフォーマンスについても、トゥヘル監督は「どのように戦い、そして結果として報われたことに満足しているよ。もっと早く試合を決めれたかもしれないが、今は攻撃陣が1vs1を常に制していることや、PA内での危険性を増して得点チャンスを作れているのもあげられるし、今は新スタイルを開発するのではなく、一歩一歩着実んやっていくということ。今はエゴを出さないよう、ただとにかく大切なのはボールがゴールラインを超えるようにすることだ」とチームの前進について語った。
マズラウイ「今は怪我人がいるからプレーできている」
その象徴的なプレーの1つは、この日の同じくミュラーと同様にベンチスターととなった、リロイ・サネによるゴールを、最近チャンスを掴んでいるヌゼア・マズラウイがアシストしたシーンだろう。特に以前には出場機会の少なさへの不満をメディアに吐露していたが、デイヴィース負傷から先発するマズラウイは、「ちょっと大袈裟かもしれないけど、自分が忘れられていたような感覚を持っていた」と。「気持ちの面での浮き沈み」への複雑な心境を明かしつつ、「また後半戦をみれば怪我人のおかげで、僕は出場することができているといえるだろう。でも僕は監督やチームに、必要とされたときにいく準備はできていると伝えているし、今日はそれを見せたということだ」と前を向いている。