2023/05/12

ハーランドを封じたリュディガーに、グアルディオラ監督「次の一手を考えている」

©︎IMAGO/Marca

 チャンピオンズリーグ準決勝において最も大きな焦点の1つとなっていたのが、果たしてディフェンディングチャンピオンであるレアル・マドリードが、現在絶好調のマンチェスター・シティがみせるクオリティへどこまで対峙できるかというものであった。ただひとまず半分となる90分を経過した時点で言えることは、それは十分に可能なことであったということだろう。立ち上がりでは非常に守備的なアプローチで様子を見、ポゼッションを得意とする相手にボールを預け主導権を握らせていたものの、ただこのようなスタイルはレアル・マドリードもまた得意とするもの。Amazonプライムとのインタビューにて、アントニオ・リュディガーは「これが僕らのゲーム。ボールがなくとも落ち着いてできる」とコメント、実際にCBコンビを形成したダヴィド・アラバと共に息のあったプレーで得点チャンスを与えることはなかったのである。とりわけ今大会12得点中のエルリング・ハーランドは21回のタッチで3回のみのシュート、まったく危険な存在とはなれず、「彼だって一人だけでは何もできないということ。だからその周囲をうまくコントロールする必要があるのさ。それで比較的やりやすさが生まれたんだよ」と説明した。

様々な理由から悔しさ残る、デ・ブライネの同点弾

 それゆえ最終的にケヴィン・デ・ブライネに同点ゴールを決められてしまったことに残念さを覚えている。この失点はリュディガーやアラバとは全く関係のない場面で決められてしまったものであり、またその直後にアンチェロッティ監督が主審に抗議して警告を受けたように、その前のプレーでのベルナルド・シウバによるプレーはで「ボールはアウトオブバウンズだった。それを言うのは私だけではなく、技術的にもそうだ」とアンチェロッティ監督。TVチャンネル「beIn スポーツ」は3D技術によってそれは実証されたと主張しており、そこでアーセン・ヴェンゲル氏も「VARはここで介入すべきだったのではないか」と疑問を呈した。さらにアラバは「僕たちが一番いい局面を迎えたころの失点だったから。試合全体をみれば、僕たちが勝利に近かったと思うよ。だったら展望もだいぶ変わっていたのだろうし、ちょっと残念だね」と吐露。それでもリュディガーは「1週間後にまたセカンドレグが控えているからね、そこでまた全力を尽くすよ。僕らにはそこで勝利を手にするだけの選手、経験、そしてCojones(=勇気)があるから!」と前を向く。

トニ・クロース「マンC相手に戦えていた」

 改めてトニ・クロースは、試合全体を振り返り「しっかり渡り合えていたし、1−1とされるより2−0に近づいていた。カウンターの力をみせることができ、後半にみせていたサッカーを誇らしく思う。どこまでできるか疑問の声もあっただろうけど、今回それを証明できた」と総括。「失点の場面では受け身すぎたから。前半の僕らと同じく良い時間帯でやられた。ギュンドアンに少しスペースを空けすぎてしまった感があるが、でもいずれにしても良いシュートだった」と説明。「外から見ている人たちの目には、今回の結果は内容に見合ったものと映っているかもしれない。でも今はそれは違うように僕は感じるよ。後半では僕たちは素晴らしいプレーができていたと思うし、得点を決めたあとも良くなっていったから」と悔しさを滲ませつつも、「欧州サッカー界で現在もっともタフなアウェイ戦に臨むが、ワクワクしている。来週にむけて前向きさを持ち込むつもりだよ」と語っている。

グアルディオラ監督とグリーリッシュがデ・ブライネを絶賛

一方でマンチェスター・シティのグアルディオラ監督は「リュディガーがハーランドの近くにいたのでスペースが難しかったが、次はもっと流動的に、もっとリズム良くプレーできるように調整していく。次へのアプローチをすでに考えている」と述べ、特に同点弾を決めたデ・ブライネを「いろんな点で素晴らしいプレーをみせていた」と称賛。「エデルソンとウォーカーも傑出していた」と言葉を続けており、「次のホームでもっと良いプレーができるだろう。今日は特にペナルティエリアにおいてうまく守れていたよ」と満足感。ジャック・グルーリッシュは、デ・ブライネのゴールシーンについて「ケヴィンのあのシュートはいつも練習しているし、あそこで彼の足元におちるなんてこれ以上なことだよ。」と振り返り、「試合前に母親から夢見た舞台だねというメッセージをもらった。CL準決勝の舞台では時にピンチにも陥るものだ」という覚悟をもって「ベテランと若手のバランスが完璧でクオリティも高い」強敵を相手に、カルバハルと激戦を繰り広げ「はじめて痙攣なんて起こした」とも。それでも「エティハドでは僕たちは止められないさ」と、今年に入ってから15戦全勝の牙城へ自信をみせた。

International Internationalの最新ニュース