2023/05/17

元ドイツ代表ヘクター、イタリア戦での名場面について「PKが大嫌いで、チビりそうだった」

©︎imago/Horstmüller

 今シーズン限りで現役生活にピリオドを打つことを明らかにした、1.FCケルンの主将ヨナス・ヘクター。まだシーズンの戦いは2試合残されてはいるものの、一足早くそのキャリアを思い返した時に思い起こす場面の1つは、おそらくユーロ2016準々決勝イタリア代表戦におけるPK戦だろう。そこでヘクターは9番目の選手として登場しており、最終的にはそれをきっちりと沈めて準決勝進出を確定させることに。「あの時はイタリア代表のキッカー(マッテオ・ダルミアン)が先に外していたという事もあって、気持ち的にはアドバンテージがあった」と11フロインデとのインタビューにて振り返った同選手は、「ただあそこに行くまではチビりそうだった」

 それではいったい何故そこでキッカーを務めていたのだろう?「その後に控えた選手があまりいなかったからだ」とヘクター。「もちろんそこでは失敗を怖がる気持ちはあった。もしも蹴って失敗すれば、何を言おうが失敗でしかないのだから。僕は若い頃、どんな小さな村の大会であっても、PKを蹴る事は本当に嫌だったんだ。しかもあのときは地区の運動場なんかじゃなく、モロにボルドーのスタジアムの雰囲気に包まれていたわけだし」そのため最終的にゴールネットを揺らしたときに、まずヘクターが思ったことは「とにかく、ほっとした」という気持ちだったという。

 最終的にユーロでは準決勝で開催国フランス代表の前に敗戦。その1年後にはコンフェデ杯にて優勝を果たしはしたものの、「あれはあれで意味のあることではあるけど、でもビッグタイトルは獲ることはできなかったよね」と笑顔で振り返ったヘクター。「あの時はとてもいいチームだったし、期待感もさほどなかったことからも、とにかく楽しんだ。それがあの結果につながったのだと思う」と言葉を続けており、昨夏のカタールW杯においてもフリック監督から代表復帰の要請が届いたが、「もう参加しなくて良いという気持ちだった。2年前に国際試合の遠征に参加することへの疑問をもっていたし、その気持ちに変化がなかったから。今回のW杯の状況、自分の立場、家族から長期離れることなど、正しいと感じられることがあまりなくてね」と説明している。

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