2023/08/01

バイエルン:中盤争いで正念場のゴレツカ、正念場さえ迎えられなかったマネ

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 バイエルンの中盤ではここ数年、ドイツ代表MFジョシュア・キミヒとレオン・ゴレツカが主に形成してきたが、しかしながら昨季終盤よりトーマス・トゥヘル監督が就任すると、状況に変化が生まれてきている。特にレオン・ゴレツカに関しては先発から外れることも珍しくはなく、今回の日本ツアーにおける2試合でもともにベンチスタートとなっていた。今夏加入のコンラッド・ライマー、そして若手のライアン・グラフェンベルフと、左SBながら中盤でもプレーできるラファエル・ゲレイロを加えると、5人でポジション争いを展開することになり、その枠が果たして幾つ残されているかは、新指揮官が採用するシステム次第でもある。

 これまでとの違いについて、キミヒはナーゲルスマン監督時代では「僕の方がより攻撃的にプレー」し、そしてゴレツカがその中盤の背中を守る役割を果たしていたが、「最近はダブルボランチでプレーする機会が多く、そうなると僕はより守備的にプレーすることになる」とコメント。「常にシステムによるものだし。監督からの指示にもよるよ」と言葉を続ける。いずれにせよ中盤の定位置争いが激しいものとなっている事実は明らかなことだ。現状を見る限りはキミヒとライマーが先発、それをゴレツカが背後にグラフェンベルフを感じつつ追う展開か。「どんなチャンスも残されている」とトゥヘル監督。特に決定力の欠如が指摘されるゴレツカだは、しかし以前にボックストゥボックスでプレーしながら、ボランチのサポートを行うスタイルではバイエルンの六冠達成に大いに貢献した過去もある。

 また「基本的に選手層に厚みを持たせたいと考えているんだ。12番目、13番目、14番目のどの選手が入っても粘り強い、頼れるメンバーを見つけていかないとね」と指揮官は述べ、また相棒を務めてきたキミヒも「レオンがクラブを去ることは想像できないよ」と強調してはいるものの、実際に変化の激しいサッカービジネスにおいては何が起こるかは決して予想のできるものではない。実際にこの夏はデクラン・ライスへの関心が伝えられるなど、新たなボランチの獲得の可能性もあるだろう。そうなれば来夏のユーロを視野に入れるゴレツカも再考が求められる。「まだ公の場で個人について議論すべき時期ではない。何がよくてどこを改善する必要があるか。選手個人をどう評価するか。記者会見で話す前に選手に直接伝える」とトゥヘル監督。いずれにせよゴレツカは今の状況を受け入れ、シーズン開幕までにその答えを出さなくてはならない。

サディオ・マネ「本当は今季バイエルンで活躍したかった」

 そのチャンスさえ与えられずにチームを後にするのが、昨夏にリヴァプールから加入したばかりの、サディオ・マネである。ロベルト・レヴァンドフスキ後に加入したビッグネームとして大いに期待されたが、新たな国や新たなクラブで、定着しないポジションと負傷離脱、W不参加といった精神的な負担も重なり、後半戦ではチームと共に翻弄され「自分が思い描いたのとは、異なる結末」を迎える結果となっている。「本当は今シーズン、僕としてはこのチームの助けになることができたと自負している。それを実際に証明したかったけど、でもこれからもクラブとファンの皆んなにはベストを願っている」とコメント。そして自身はこれから、戦いの舞台をサウジアラビアのアル・ナスルへと移す。

ケイン獲得交渉、ドレーセンCEOがロンドン訪問も進展なし

 そのサディオ・マネに代わって1年越しとなる、ロベルト・レヴァンドフスキの穴埋めが期待されているのが、30歳を迎えたハリー・ケインだ。以前よりイングランド代表ストライカーに対するバイエルンからの関心は伝えられており、選手自身も移籍に前向きながら、いまのところはまだトッテナム・ホットスパーとのクラブ間交渉では合意には至らず、ドレーセンCEOらがロンドンに滞在した本日月曜も、メディアの報道ではまだ特に移籍金面での隔たりが大きいようだ。

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