2023/09/04

浅野拓磨、「フリック、何それ?」以来のドッペルパック!そしてドイツ戦へ

©︎IMAGO/Sven Simon

 今季ブンデスリーガ開幕戦となったVfBシュトゥットガルト戦では、敵地で0−5と辛辣な出だしを切ることになったVfLボーフム。しかしながら続くボルシア・ドルトムント戦では1−1と痛み分けを演じて上昇気流に乗ると、続く第3節アウグスブルク戦でも2−2と勝ち点確保に成功した。「かなり良いアウェイでの戦いをみせられていたんだけど」と振り返った、アントニー・ルジア。「もっと良い結果を手にしてよかったはず」と話すようにポゼッションで大きく上回り、シュート数でも2倍。相手を圧倒していたものの、ディフェンス面で2度アウグスブルクに出し抜かれてしまう。決定力不足とツメの甘さ?それとも4度しかチャンスを与えず、多くの得点チャンスを得た?

 実際にこれまでの失点数8という数字は、この試合でみせていた非常に安定感のあるディフェンスと比較すると違和感を覚えるもの。レタウSDは「少なくとも1失点ぶんは余計だった」と苦言を呈す。逆にアウグスブルクがそこまで引いて来ることには驚きを覚えるほどだったが、ボーフムが手にした高いポゼッションをまんまとうまく利用してしまった。「選手たちがみせていたものは誇らしい。だが誰もが満足などできはしない。勝つべきだった。2度試合を戻したとはいえ、アウグスブルクから2点をとれば勝利すべきでもある」と、レッチュ監督。一方で明るい材料もこの試合では確かにみてとれ、浅野拓磨は新たな役割で躍動感を見せているところ。

 先日延長したCFホフマンと並んでのセカンドトップは、明らかに浅野に向いた役割であり、中央でその俊敏性、スピードを思う存分に発揮でき、さらに現在は得点力という点でも輝きを解き放っているのだ。ブンデスでは2度目となるドッペルパックを決めた日本代表FWについて、ルジアは「本当に狙ってたか、彼に聞いてみるつもりだよ」と、そのアウトサイドインステップでダイレクトでゴールネットを揺らした場面について笑顔で話した。それがどうかは定かではないがいずれにしても、浅野拓磨は勢いに乗ってこれから、再びドイツ代表との一戦に臨むことになる。今冬のカタールW杯ではGL初戦のドイツ戦で、ニアポストへの強烈なシュートを放ちノイアーの牙城を突破。ドイツの守備陣を大いに苦しめてみせている。

 そのパフォーマンスもさることながら、その試合後に大いにSNSで話題となったのは、それ以前に行われたブンデスリーガのホッフェンハイム戦後、ブンデスリーガでは初となるドッペルパックを決めた後に、この日に視察に訪れていた「フリック監督の存在を意識したのか?」との問いに、「ふりっく、何ですか?それ?」と返答。どうやらしっかりと聞き取れていなかったことが理由のようだが、いずれにしてもその時以来となるドッペルパックはこれからのドイツ戦に向け、改めてその存在感を示す強烈なアピールとなったはずだ。

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