2023/09/06

32歳でドイツ代表初招集、パスカル・グロース「僕だって驚いた!」

©︎IMAGO/Matthias Koch

 パスカル・グロースにとってドイツ代表初となる記者会見の参加機会は、9月5日火曜日の午後に訪れた。ブライトン&ホーヴ・アルビオンに所属する32歳は、サッカー選手としてはかなりのベテランの部類に入るのだが、しかしながらドイツ代表では新人となる。前任者であったレーヴ代表監督と定期的な交流もなかった同選手は、今回の日本代表とフランス代表との親善試合に向けた代表選考で、はじめてフリック代表監督からお呼びがかかったのだ。「僕自身も驚いたよ!ここに来れて本当に嬉しいよ。自分が夢見ていた世界。興奮するね」

 だがその一方でドイツ代表の雰囲気は決して明るいものではない。今冬に行われたカタールワールドカップでは、ドイツ代表は前回のロシア大会に続く屈辱のグループリーグ敗退を喫しており、その後の2023年の2度にわたる代表選期間でも決して芳しい成績は残せていない。前回は代表通算1000試合目となったウクライナ戦でドロー。さらにポーランド戦とペルー戦では敗戦を喫しているところ。無論Amazonプライムで金曜から公開されるドイツ代表のドキュメンタリーも、雰囲気を明るくするのに貢献するわけではないだろう。逆にだからこそこのネタがこの日、代表初参加となるグロースにも向けられる格好となったのだ。

  「事前に見たわけではないし、僕には直接関係するものではないから」と落ち着いた様子のグロース。「僕は常に自分なりのイメージをもって人と接するようにしている」と言葉を続けているように、特にSNSも行わない同選手は「友人や家族がいるわけで、僕としてはそこに集中するようにしているんだ。そもそも人生は浮き沈みの激しいものだけど、SNSはその揺れをさらに大きくするものだと思うね」と指摘。いまはあくまでドイツ代表でのアピールに100%集中しているところであり、できることならばその活躍をさっそく、9日に控える日本代表戦で示したいところ。会見に同席したロビン・ゴセンスも、代表での危機感について「大いに持っている」と認める。「うまくいっていないからね。危機感の大きさは認識しているし、結果を残さないと」

 逆にいえばその機会が屈辱のワールドカップGL敗退となったその初戦の相手、日本代表戦でいままさに訪れているともいえるだろう。「このチームにはとても大きなクオリティがあるけど、でも最近の流れは悪い方向にあるよね。」とゴセンス。その代表メンバーでは、しかし左サイドバックを本職とするのはゴセンスただ一人だ。特に今夏より加入したウニオン・ベルリンでの活躍ぶりが評価された、期待感の表れともいえるかもしれない。「ウニオンではとにかく、精力的に戦うことの重要性を実感させられているよ」とゴセンス。「ピッチ上では全員が一丸となって、家族同士のようにさらに一歩踏み出して助け合う精神が必要なんだ」とドイツ復活のために求められる精神について語った。

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