2023/09/21

CL初陣でレアルから敵地で勝ち点確保?土壇場での敗戦に、ゴセンス「サッカーを少し嫌いになった」

©︎IMAGO/Matthias Koch

 ボール支配率75%:25%、パス総数813本:263本、シュート総数32本:4本。確かに水曜夕方より行われたチャンピオンズリーグGL第一戦、レアル・マドリードvsウニオン・ベルリンではホームのレアルが圧倒。だが結果に目を向けてみると、試合終了間際にこの夏ドルトムントから加入したジュード・ベリンガムが、なんとか勝利をもぎとる決勝弾を沈めてからくも勝ち点3の確保に成功している。

 試合終了後、ロビン・ゴセンスは「サッカーの最も美しい部分、そして最も見たくない部分の両方を知ることになった」とDAZNに対して漏らし、「試合終了後、一瞬そんなサッカーが嫌いになったよ。本当に。あれだけの奮闘をみせて、ピッチで活躍を見せられたことを思えば、これはあまりにも残酷な結果じゃないか。みんなで危機的な状況を乗り越えながら、最後の最後まで勝ち点のチャンスがあったのに、あんな形でゴールを奪われてしまうなんて。信じられないし、残酷だし、もう最悪だ」と吐露。「でもこれは僕らを奮い立たせるものだし、ここから学んでいくことだ。たとえばポゼッションは物足りなくすぐロストしていた。だから貴重なカウンターの機会も失っていた。でも僕らは良いサッカーができる、CLをただ見るのではなく相手に厄介なことを突きつけられるチームなんだよ」を前を向く。

 確かには情熱や闘争心など必要な美徳を発揮して存在感をみせつけていたが、事実としてレアル・マドリードが試合の3分の2で完全に試合を支配し、まるでハンドボールのように壁に向かってレアルが隙を伺うような試合展開に。ケビン・ベーレンスは「僕らはたくさん走り、たくさん働いた。最終的にはおそらく僕らの力が少し弱まり、彼らは選手の入れ替えによるパワーの注入から追加点を加えることができたのかもしれない」と分析する。「全体的に、チームとしてボールに対してもっと冷静になって、より明確な解決策を見つけるべきだった。トランジションゲームに入れなかった。そのことについては自分たちを責めなければならない」

 また先発GKフレデリク・レノウは「ベルナベウでロスタイム3分まで0−0としていたのであれば、なんとしてでも結果を手にして帰りたいと願うものだよ」とドイツ通信社とのインタビューで悔しさを滲ませつつ、「ただ勇気と自信をもってプレーすることはできたし、とても良いパフォーマンスをみせていたことは確かだよ」と、こちらも懸命に前を向いた。ベーレンスも複雑な心境を明かしつつ、「あんなに良い試合ができていたのに、最後に敗戦を喫してしまうなんで残念だよ。でも一方でマドリードの地であれほどの良い戦いを演じられるということ、それは誇りにも感じるね」と言葉を続けている。

 これにはウアス・フィッシャー監督も、「チームのパフォーマンスは本当に誇らしかった」と同調、わずか4年前にクラブ史上初のドイツ1部昇格を果たした地域密着型クラブとして、「レアルを相手に特に前半では、ホセルの2度以外これといった決定機を与えていなかったよ。最初の30分間は非常にバランスが取れていたと感じた。我々は非常に規律正しく、チームは非常に成熟したプレーをしており、本当に立ち上がり30分はとても良かったよ。選手たちはとても成熟しており、ボールをもっても勇気をもったプレーをみせていた」と惜しみない賛辞をおくった。

 だがそれでも指揮官は、後半から本領を発揮して試合の主導権を握ったレアルによって、自陣のPAを常時包囲されつづけた選手たちは気を抜く暇ないプレーを強いられ、「それでも何度か運にも恵まれて踏ん張りは見せていたのだがね。それゆえ勝利だってよかったのではないかと思うほどだよ」とフィッシャー監督。しかし最後に「この試合で最初のミスが不意に襲いかかった」ことで何も手にできなかったが、とはいえ胸を張ってベルナベウを後にできることに代わりはない。これほどのレベルであっても、ウニオンは変わらず”厄介なウニオン”であり続けてみせており、きっとその報いは必ず選手たちに訪れることだろう。次の機会は10月3日のホーム戦、相手はスポルティング・ブラガだ。

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