2023/10/11
バイエルンで大活躍のリロイ・サネ、人生を一変させた妻、指揮官、そして相棒

©︎IMAGO/Nordphoto
これまでドイツ代表ではレアヒム・レーヴ監督、そしてハンジ・フリック監督の下でプレーしながらも、なかなか思うように物事が進まなかった、リロイ・サネ。今回新たに就任したユリアン・ナーゲルスマン監督についても、これはフリック監督と同様にバイエルン時代で指導を受けた経験があり、そしてそこでも思うような成果をあげることはできなかった。特にナーゲルスマン監督監督に至っては途方に暮れ、別々に練習することさえ検討していたともいわれている。だが今シーズンは開幕からほぼ3日ごとに、そのすべての試合でサネはベストプレーヤーとの声もあがるほどの活躍をみせているところだ。
キッカーが得た情報によるとその歯に衣を着せぬ発言を好む傾向にあるサネには、何人かのチームメイトも問題を抱えているようだが、しかしながらこの春に就任したトーマス・トゥヘル監督からは絶大な信頼を感じており、実際にトゥヘル監督自身も「我々にはつながりがある」と表現。加えてトゥヘル監督はサネがもつクオリティの引き出し方についても深く理解を示しており、特にその戦術面における「走る動き方」という点でサネは大きな恩恵を受けているといえるだろう。例えば先日のフライブルク戦。
開始早々にみせた走りながらの完璧なファーストタッチ、そこからの巧みなボール捌きから、ゴール角へ見事なシュートを一閃。まさにサネの醍醐味がつまった見事なシーンだったが、惜しくもこれはオフサイドの判定で向こうとなってしまう。ただ後半開始早々には相手DFキュブラーをドリブルで振り切ると、そこからケインを経由してゴール前にお膳立てされたボールを、見事にそこへすり抜けて入ってきたサネがこの試合の貴重な追加点を決めてみせた。
サネにおける大きな変化は、自分自身というよりもむしろ、周囲の人間たちにあるといえるだろう。前述のトーマス・トゥヘル監督然り、キッカーが得た情報によれば妻がミュンヘンに永住していることで充実したプライベート生活然り、そしてこの夏に入ったピッチ上の相棒ハリー・ケインの加入然りである。サネの動きをよく知るトゥヘル監督に加え、ケインはサネのためにスペースの作り方を知る選手であり、まさにその象徴的なプレーが前述の2点目の場面だ。これで今シーズンすでにケインはサネに対してのみで3アシストを記録。
まさにバイエルンにおいてリベリとロッベン、レヴァンドフスキとミュラーに続く、新たな黄金コンビの誕生をも予感させるシーズンので出しだ。そしてそんなサネの活躍によって、もともとはプレミアで知る仲であるケインも新天地で順調なスタートをきる恩恵を受けており、そしてなによりチームの再建を託されているトーマス・トゥヘル監督もまた大きな恩恵を受けていることは言うまでもないことだろう。2025年まで残されているサネとの契約は、このままの調子が維持されるのであれば更新されても何ら不思議ではない。最初の更新は年内にも行われる見通し。