2022/07/20

よくわかる:人件費で見る、ブンデスリーガ勢力図

 過去10年間に渡りブンデスリーガでは、バイエルン・ミュンヘンがその頂点に君臨してきた。そしてそれに次ぐ明確なナンバー2の存在となっているのが、その間に6度に渡り2位に甘んじているボルシア・ドルトムントである。そしてこの関係と全く同じ結果となっているのが、サッカー界におけるパワーバランスにおいて切っても切れない、人件費ランキングだ。ブンデスリーガでは5年前より加盟36クラブの主要な数値を公表しており、直近に発表されたのは2020/21シーズンのもの。

 そこではバイエルン・ミュンヘンは当初より3億1500万ユーロとなっていた人件費を、4年間の間に3億7300万ユーロにまで上昇。当然ながらブンデスリーガではダントツの人件費である。これに続くのがボルシア・ドルトムントであり、この4年間ではほぼ変動がなく2億1500万ユーロ。これが頭打ちなのか、はたまた節約による一時的な意味なのかは今のところはわからない。ただこの数字に、猛烈な勢いで追い上げをみせている1つの新興クラブが、ご存知の通りRBライプツィヒだ。

 2017/18シーズンでは1億500万ユーロだった人件費は、4年の間で1億6900万ユーロにまで増加。これはチャンピオンズリーグ優勝を果たしたバイエルンをもっても後塵を拝する、ブンデスリーガ最大の増額である。確かにメディアからの収入増加も背景とした上で、人件費には育成への投資などクラブの運営費用も含まれる他、増加率という点においては1.FCウニオン・ベルリンにみてとれるように、クラブの飛躍に応じて人件費の上昇というものは必然的に避けられないものだ。

 ただウニオンの場合はあくまで、2019年にブンデスリーガ昇格を果たした結果であり、1900万ユーロから4000万ユーロというボリュームからしても比較することは見当違いだろう。また仮にこのペースでの増加傾向となれば、競技面のみならず財政面という点においてもボルシア・ドルトムントは、RBライプツィヒにナンバー2の座を明け渡すことになる。実際にライプツィヒはすでに2度、ブンデスリーガ2位の座に君臨。今シーズンでも引き続き、チャンピオンズリーグ出場を果たしてみせた。

 そんな成績に応じた人件費の伸び率と反対に逆行しているのが、投資家ラース・ヴィンドホルスト氏からの多額の資金投入で大いに注目を集めた、ヘルタ・ベルリンだ。この期間のうちに6100万ユーロから9300万ユーロにまで上昇、伸び率という点では52.5%とバイエルン、ライプツィヒに匹敵するものの、順位を10位から14位にまで下げる結果に。さらに昨季至っては遂に2部降格一歩手前となる、入れ替え戦の末で残留をなんとか果たす始末。

 だが忘れてはならないのは今回の人件費の期間は、あくまでプレーツ前競技部門取締役時代によるものであり、果たして昨夏より就任しているフレディ・ボビッチ競技部門取締役はどういった動きをみせていくのか注目されるところ。実際にブンデスリーガでは堅実な財務策で成功を収めているクラブも少なくない。例えば長年に渡り育成力に非常に定評のある、昨季は飛躍を遂げたSCフライブルクは毎シーズン500万ユーロずつ堅実に上昇。

 同じく昨季に欧州返り咲きを果たしたケルンも、2部降格により一時は6600万ユーロから4800万ユーロに下げたが、7000万ユーロと現状回復。同様に2部降格の憂き目を味わったVfBシュトゥットガルトも8400万ユーロから8300万ユーロ、節約政策の中で昨季を除き着実な成長カーブを描いていたヴォルフスブルクも1億2800万ユーロから1億2300万ユーロとなっている。
 
 それではコロナ禍によって、どれほどのクラブ人件費減少にまで踏み切ったのか?影響が皆無であった2018/19シーズンから2020/21シーズンを比較すると、実は人件費の削減を行なったのは6クラブしか存在しない。前述の微減となったシュトゥットガルトやヴォルフスブルクをはじめ、レヴァークーゼンやグラードバッハといった欧州常連組や、マインツやブレーメン、何より2017/18シーズンでは1億2500万ユーロを計上していたシャルケでは、2部降格を喫することになる20/21シーズンの時点では既に8800万ユーロにまで縮小を敢行していた。
 

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