2023/03/18
ドイツ代表発表:初招集は5人、ヴィルツやヴェルナーらが復帰

©︎kicker
先日にドイツ・ニュルンベルクにあるkicker本社を訪れたドイツ代表ハンジ・フリック監督は、そこで今年最初の代表戦期間にむけてサプライズ人事があることを宣言していたのだが、今回はヨシャ・ヴァグノマン(シュトゥットガルト)、マリウス・ヴォルフ(ドルトムント)、メルギム・ベリシャ(アウグスブルク)、ケヴィン・シャーデ(ブレントフォード)、フェリックス・ヌメチャ(ヴォルフスブルク)が、ベルギー代表(3月25日・マインツ)とペルー代表戦(3月28日、ケルン)にむけて代表初招集を受けた。さらに負傷でワールドカップ参加を見合わせたフロリアン・ヴィルツ(レヴァークーゼン)やティモ・ヴェルナー(ライプツィヒ)が、年明けから特に好調なエムレ・ジャン(ドルトムント)と共に復帰。またGKでは負傷のノイアーに代わりベルント・レノが召集されている。
ベリシャ召集にわくアウグスブルク
昨夏にフェネルバフチェからレンタルでアウグスブルクに移籍したベリシャは、今季ブンデス8得点4アシストをマーク。契約には金額は未公表ながら買取オプションも付随しており、ただ手の届く範囲といわれることから完全移籍は時間の問題だろう。そんな中での今回の代表召集はさらにその価値を高めるものであり、選手自身も「このために懸命に取り組んできた。まだ何も結果も手にしてはいないし、今は代表でアピールするチャンスがあることにワクワクしているよ」と喜びのコメント。「ずっと支えてくれた人々に感謝している。この機会を最大限活かせるように全身全霊をかけて臨む」と意気込みをみせた。
シャーデ、フライブルクの好調さが移籍の決め手
「皮肉なことかもしれないけど、フライブルクが好調だったから移籍したんだ」とキッカーに明かしたシャーデは、「負傷明けで状態が上がらずに、チームもうまくいっていたことでチャンスが来なかったんだよ。若い僕にはそういう時間が必要だったし、それがプレミアだったという理由もある」と説明。昨夏にも関心を示していたが、「負傷後で復調の時間が必要だったし、フライブルクではそれが得られる確信があった」ため残留を決意。「それでも熱心に声をかけてくれて好感触があった」というブレントフォード移籍を決意した。ただそこでも好調なブレントフォードのチーム事情から待つ日々が続いたが、「ただもう練習はかなりできていたし、プレースタイルが合っていた」こともプラスに働いて、今回のA代表初招集へとつながっている。
兄ルーカス・ヌメチャは膝蓋腱の問題で再離脱
また事前に明らかとなっていたトーマス・ミュラー(バイエルン)とイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)のみならず、アントニオ・リュディガー(レアル)やニクラス・ズーレ(ドルトムント)、ルーカス・クロスターマン(ライプツィヒ)、ヨナス・ホフマン(グラードバッハ)、リロイ・サネ(バイエルン)も招集が見送られ、そのほかユリアン・ブラント、カリム・アデイェミ、そしてランニングを再開し来月復帰が見込まれるユスファ・ムココらドルトムント組は、負傷のために参加は見合わされた。フェリックスの兄ルーカス・ヌメチャについては、昨年11月に負った膝蓋腱の損傷から再離脱となっており、コヴァチ監督によれば「復帰の目処はついていない」とのこと。「彼の膝はセンシブルな問題だ。少し痛みがあってピッチで全力を出しきれない。我慢してもしょうがないし、この数週間は実際そうだった」とあくまで今回の保存療法で「100%」の完治を目指すことを優先している。
フリック監督「将来性を踏まえ分析」
「ユーロ2024を睨んで良いメンバーを揃えることが重要。代わりのオプションに目を向けて、彼ら2時間を与えていくことが大切なんだ。練習のみならず試合でも新戦力が力を発揮できる余地も必要だと考えている」と指揮官。「将来性という観点から選手たちの分析を行なった。例えばヴォルフはドルトムントで卓越したパフォーマンスをみせていたし、ヴァグノマンは出場機会は少ないが左右どこでもプレー可能なモダンなDFだ」と評価。攻撃面でのシャーデやベリシャについても同様の見方だ。「先日のバイエルン戦での存在感とフィニッシュに好印象を受けたよ。アウグスブルクでみせているものを是非ここでみせてほしい。得意とするものを自信を持って示してほしいと思う」
ヴィルツら復帰組にも期待
一方で復帰組についても特にヴィルツへ高い期待感を示しており、今夏には黄酒選手権が控えるドイツU21代表の出場資格もあるものの、ヴァグノマンやシャーデとは異なりあくまでトップチーム定着が見込まれているところ。それでもフリック監督としては基本的には、U21代表と密接に連携していくことを願っており、ディ・サルボU21代表監督とは「良い交流ができている。U21代表の選手たちには最後の大きな大会で改めてその力を発揮してほしい」とコメント。そして自らの目標についてはドイツ国民に再び、ドイツ代表をより身近に感じてもらえるようにすること。そのために母国で開催される今回の試合からW杯で欠けていた、納得させるような戦いぶりをみせていかなくてはならない。「核となる選手も必要だ、だが更なる発展のためには新しい影響も加えることも重要だ」とフリック監督は強調。「注目されているこちはわかっている。結果を出さなくてはならない。だからこそ代表として示すべき、全力投球というものと選手たちに求めたい。そうすれば観客にもきっとつたわるはずだから」
ノイアーの代理主将はキミヒ、代理GKはテル=シュテーゲン
今回の発表でもう1つ明らかとなったことは、ノイアーやミュラー、ギュンドアンらが不在という中で、キャプテンマークを身につけるのが、ジョシュア・キミヒになるということである。「メンバーのなかで最もキャップ数が多い。きっとキャプテンとしてチームを牽引してくれることだろう」とフリック監督は説明。これまでドイツ代表74試合に出場して4得点をマークしているMFは、キャプテンとしてすでに4度ドイツ代表でプレーした経験の持ち主だ。またノイアー不在によるGKの陣容については、マーク=アンドレ・テル=シュテーゲンを先発として考えており、「2試合とも起用する」と明言。先日にも「ドイツ代表で先発GKとなりたいんだ」と宣言していたバルサの守護神はは、30歳として迎えたこれを機に代表でも飛躍を果たしたいところ。またW杯と同様にフランクフルトのケヴィン・トラップに加え、今回はフラムからベルント・レノが代表に復帰した。
ドイツ代表メンバー一覧
GK:マーク=アンドレ・テル=シュテーゲン(バルセロナ)、ケヴィン・トラップ(フランクフルト)、ベルント・レノ(フラム)
DF:アルメル・ベラ・コチャプ(サウサンプトン)、マティアス・ギンター(フライブルク)、クリスチャン・ギュンター(フライブルク)、ティロ・ケーラー(ウェストハム)、ダヴィド・ラウム(ライプツィヒ)、ニコ・シュロッターベック(ドルトムント)、ヨシャ・ヴァグノマン(シュトゥットガルト)、マリウス・ヴォルフ(ドルトムント)
MF/FW:メルギム・ベリシャ(アウグスブルク)、エムレ・ジャン(ドルトムント)、ニクラス・フュルクルーク(ブレーメン)、セルゲ・ニャブリ(バイエルン)、レオン・ゴレツカ(バイエルン)、マリオ・ゲッツェ(フランクフルト)。カイ・ハヴェルツ(チェルシー)、ジョシュア・キミヒ(バイエルン)、ジャマル・ムシアラ(バイエルン)、フェリックス・ヌメチャ(ヴォルフスブルク)、ケヴィン・シャーデ(ブレントフォード)、ティモ・ヴェルナー(ライプツィヒ)、フロリアン・ヴィルツ(レバークーゼン)
𝗙𝗶𝘃𝗲 new faces in the senior team 🆕🇩🇪
Welcome to the Germany squad, boys! 👋 pic.twitter.com/MkR24GuQo7
— Germany (@DFB_Team_EN) March 17, 2023