2023/03/23
27歳でドイツ代表期待の星、紆余曲折を経てヴォルフが掴んだ強み

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27歳にしてドイツ代表デビューのチャンスが巡ってきたマリウス・ヴォルフ。彼の価値はボルシア・ドルトムントで同僚のエムレ・ジャンにもよく知られている。「マリウスはいつだって存在感をみせていたよ。常に全力投球で、自分の仕事をきっちりと果たす。彼は常にトップクオリティを発揮できる選手なんだ」とエムレは賛辞を送った。実際、フリック代表監督からも彼のメンタリティと取り組む姿勢を評価されるサイドのスペシャリストだが、それでも代表デビューの機会までにはこれほどの時間を要している。選手自身もまた、いつかA代表のユニフォームの袖を通すことへの目標を見失った時期があり、例えばハノーファー時代にはセカンドチームへの送致という憂き目を味わった「あの時は本当に辛かったね」とヴォルフは語った。「でも家族が支えになってくれた。これほど短時間のうちに、これほどの好転を果たせたというのは、むしろ喜ぶべきことなのだろう。自分で何をすべきか、僕はそれを徐々に実感していったんだ」
た だ、その紆余曲折の日々は、ハノーファーから移籍後も続いていくことになる。アイントラハト・フランクフルトでブレイクを果たすも、その後に移籍したボルシア・ドルトムントでは再び物事はうまく運ばないようになっていき、そのまま定位置を確保しきれないまま、時間が経過していくことに。最終的にはケルン、さらにはヘルタ・ベルリンへのレンタル移籍も経験し、そして迎えた3度目の挑戦となった昨シーズンに、マルコ・ローゼ監督の下で遂に好転。定位置確保に成功すると、その後に就任したエディン・テルジッチ監督の下でもその地位を確保し続けてきた。その闘争心あふれるプレースタイルは、新年度からみせるドルトムントの好調ぶりの象徴であり、いまやジャン曰く「長く定位置を確保しきれていない」ドイツ代表の右サイドバックの期待の1人にまで成長。早ければ、その最初の挑戦は今週土曜のペルー戦から見られることだろう。そしてそこではきっと、いつもの全力投球する姿がピッチ上で躍動しているはずだ。