2023/03/31

ドイツ頂上決戦:主審はフリッツ審判員。ドルトムントには苦い記憶。

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 土曜日に控えるドイツ頂上決戦、バイエルン・ミュンヘンが前節首位を譲ったボルシア・ドルトムントを、本拠地アリアンツ・アレナにて迎え撃つ一戦では、経験豊富なマルコ・フリッツ審判員が主審を務めることが明らかとなった。コルブ出身の45歳のドイツ人審判員にとっては、両者による激突を裁くのはこれが5度目のことであり、アリアンツ・アレナでは過去4度にわたって主審をつとめてきたが、ただドルトムントにとってはあまり良い思い出はない。

 たとえば2015年10月4日の1−5、2017年4月8日の1−4、さらに2021年3月6日の2−4といういずれの敗戦においても、主審を務めていたのはマルコ・フリッツ審判員であった。それらのkicker採点は2.5という納得の成績ではあるものの、唯一のミュンヘン以外における両者の対決(ドイツ杯決勝)においては、フリッツ氏はリベリによるカストロへの暴行行為に退場処分をあたえておらずkicker採点4.5。最終的にはバイエルンがPK戦の末に劇的な勝利をおさめる。

 フリッツ審判員は全体的に見た場合に、2020年3月7日にマルヴィン・フリードリヒ(ウニオン)に対して退場処分を出して以降、ここまで1度も退場処分を言い渡したことはなく、そのフリードリヒについても警告2枚による退場。今シーズンは先日のシャルケとドルトムントによるレヴィアダービーやバイエルン戦2試合をはじめ、合計7試合を裁いてkicker採点平均2.43を記録。直近の13試合では4という結果になったことは1度もない安定感で、2022年カタール・ワールドカップではVARも担当していた。

今回のドイツ頂上決戦のみどころ

 土曜日に控えるバイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントによるドイツ頂上決戦は、10連覇中のバイエルンに対して前節首位奪還を果たしたドルトムントという構図のみならず、これまで通算133試合にわたって激戦を繰り広げ、そしてブンデスリーガだけでも108試合目の試合となるなど、ドイツにおける象徴的な伝統の一戦という意味でも非常に興味深い。そこでバイエルンは65試合で勝利をおさめ、通算得点数では258得点をも誇る。特に最近ではミュンヘンでドルトムントは苦戦を強いられており、最近の結果だけみても1−3、2−4、0−4、0−5、0−6、1−4、1−4、そして1−2。最後に勝利したのは2014年4月で、ケールSDがまだ現役時代にあったころだ。

 またもう1つ注目を集める理由として、監督人事があげられる。バイエルンは代表戦期間に入った直後にユリアン・ナーゲルスマン監督と、まだ3年以上の契約を残しながらも解任することを敢行。代わりに招聘されたのが2018年にも口頭合意にまで達していた、元ドルトムント指揮官のトーマッス・トゥヘル監督。いまもなおドルトムントには同氏のことをよく知る選手が複数在籍している。果たしてそこでどういった”恩返し”をみせることになるのか。またトゥヘル監督といえば今回と同様に、前任のチェルシーでもシーズン終盤から受け継ぎ、見事CL出場権獲得を果たしたのみならずチャンピオンズリーグ優勝という大きな成功に導いた経験も。

 ただドイツ代表での招集を免れた選手たちも何人かいたとはいえ、代表戦から戻ってきた選手たちを含めた全体練習を行えたのは、わずか1回のみにすぎない。「原則を叩き込むことを心がけた」というトゥヘル監督の期待に選手たちがどれほど応えられるのか。そして両クラブに多数在籍する代表選手たちの疲労度はどこまで回復されているかについても、この試合における注目ポイントの1つとなることだろう。

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