2023/04/05
シュロッターベックの予期せぬ負傷悪化も、テルジッチ監督はフメルスへの信頼強調

©︎imago images/Getty Images
怪我が再発してしまったとき、もしくは悪化した時には常に、その選手やクラブに対して「時期尚早」や「リスキー」、「不用意」などといった言葉が向けられるものだ。しかしながらボルシア・ドルトムントにおけるニコ・シュロッターベックの負傷に関しては、エディン・テルジッチ監督は明確に先発起用を下した判断についての説明がなされている。「確かに、今回の負傷はドイツ代表戦での負傷と関連がある」と1週間前に行われたペルー代表とのテストマッチについて示唆した指揮官は、そこでの試合終盤に左の大腿に負傷を抱えたものの「その後に徐々に負荷を増やして、木曜と金曜には問題なくフルメニューをこなしていた。そうじゃなくては先発起用などするはずがない」と説明。しかしながらこの試合の前半のうちから違和感はあったようで、今回の負傷は腱も伴う筋損傷にまで発展をみせたことには驚きを覚えていたようだ。「まだ数週間は出場できないだろう。まだ違和感が残っている。」
特に年明けからのクラブの飛躍を攻守に渡り支えてきたセンターバックの離脱は大きな問題であり、「彼が復帰できたときに勝負となるような展開を作っていく」ことがこれからの目標となる。その代役候補としてはボランチで活躍をみせるエムレ・ジャン、若手のスーマイラ・クリバリ、そしてマッツ・フメルスらの名前を指摘。特にフメルスはここのところシュロッターベック、そしてズーレの後塵を拝する「不満足な日々」を過ごすことからも、その奮起に期待したいところだ。「当然この10年にわたってクラブのみならず代表でも常にプレーしてきた選手。これは決して容易な状況ではないが、それでも彼は常に前向きでチームメイトらを鼓舞しトップパフォーマンスを発揮できるようにしている。マッツはプレー面でのクオリティのみならず、ハングリー精神や向上心を持ち合わせた選手であり、だからこそ彼がこれから大きな助けになってくれると信じて疑わない」と語った。なお膝を捻ったセバスチャン・ハーラーについては「昨日の練習に参加できなかったので、まだ様子見」。トーマス・ムニエは「背中の問題は軽減」され、ジョヴァンニ・レイナも「日曜からランニングをさお開始、今日はじめてチーム練習に参加できた」とのこと。
テルジッチ監督「頭を下げる理由はない」
テルジッチ監督は先週末のバイエルンとの頂上決戦での敗戦の翌日、チーム内で話し合いを行ったことを明かし、「まだ失意もあったがそれでも前を向いた」と説明。まずは「チームの前で話をし、そしてチームとの対話を行った」ところ、そこでは改めて「ドイツ杯で次に進むということがいかに大きな願いであるかを再確認した」という。年明けから今回初めてリーグ戦で敗戦を喫するなど、非常に順調な戦いをみせてきたドルトムントとしては、「これからの課題に向けてネガティブになったり悲観的になる必要はない」。だがドイツ杯8強で対峙するRBライプツィヒが「本当に手強い相手」であることに変わりはなく、「いかなる試合であろうとも非常に勇気をもったプレーで、とても激しいアプローチをみせてくる」「中央で積極的にボールを奪いにきて、カウンターを仕掛けていく点で常に危険。ブンデスで最もカウンターから得点を決めている。常に裏を突いてくる」チームとして警戒。前回の対戦では「我々は深く構えてしまい、あまりに容易にハーフラインを越えさせてしまったよ」と振り返っており、「こういった問題は早急に解決していかないと。そして我々には実際にそういう時に結果をみせてきた自負もあるがね」と自信も覗かせた。
テルジッチ監督「頭を下げる理由はない」
ボルシア・ドルトムントは来シーズンにむけた準備活動の一環として、通算4度目となる米国ツアーを行うことを発表(1954年、2018年、2019年)。7月末より西部と中西部の都市を訪れる予定で、7月30日にはマンチェスター・ユナイテッドとのテストマッチがラスベガスにて予定されているところ。会場はNFLラスベガス・レイダーズの本拠地アレジアント・スタジアムだ(6万1000人収容)。カーステン・クラマーCMOは「北米では2026年ワールドカップ開催に向け、市場の重要性が増してきている」と説明。そしてケールSDは「練習環境と試合、そして地元の人々との交流など、すべてが完璧にミックスされたツアーだ」と胸を張り、「この夏の注目度の高いテストマッチ、そしてビッグクラブの活動にも目を向けていけば、我々ボルシア・ドルトムントとしても決して無視できるものではないのは当然のことだ」と言葉を続けている。