2023/04/06

ドルトムント:怒涛の逆襲劇も無に帰する?ロイス「ライプツィヒの食い物に」

©︎IMAGO/osnapi

 ドイツ杯準々決勝RBライプツィヒ戦でも敗戦を喫したボルシア・ドルトムントは、年明けから目覚ましい逆襲をみせてきたものの、それも全て無に帰することになるかもしれない。

 不甲斐ない96分間のパフォーマンスも、もしかすると最後の最後で忘れさせてくれる可能性もあった。ロスタイムに左サイドからリエルソンが提供したクロスに、途中出場のジェイミー=バイノー・ギッテンスが反応して強烈なシュートを放つのGKに阻まれ、逆にそこから決定的なカウンターへと繋げられた結果ダメ押し点となる0−2を決められてしまったのだ。それでもこの試合でわずか2度目となる枠内に放たれたシュートが、もし決まって延長戦に入ったとしてもドルトムントがただ幸運であったことに変わりはない。2016年決勝以来つねに得点を続けてきたドルトムントだったが、この試合はまともな得点チャンスはこれ1回程度でしかなかったのである。

 それは試合開始直後から始まっていた。前半12分までにGKグレゴール・コーベルは5度にわたってセーブに追われなくてはならず、時に非常に危険な場面もふくめ合計8回も枠内へのシュートを放たれていたのだ。ドルトムントは致命的なロスト、ぞっとするようなパスミス、ぱっくり開いたスペースによってライプツィヒ攻撃陣を活性化させていき、「前半、僕たちはただライプツィヒの食い物にされていた」と、主将マルコ・ロイスはドイツ国営放送とのインタビューでコメント。さらにテルジッチ監督も「前半はボロボロだった」とまとめ、「むしろコーベルのおかげで0−1で済んでいたよ。感謝しなくては」と言葉を続けている。「我々はボールをもっても非常にナーバスでコンタクトが多すぎており、対角線へのパスなどで相手からのプレスを誘発してしまった。深い位置への侵入路も見出せず、攻守両方の対人戦において落ち着きをもてていなかったよ。」

 さらにコーベル自身も「前半ではボールをしっかりもてず、とてもアグレッシブなライプツィヒのカウンタープレスに対抗しきれず、何度も苦しめられることになった」と説明。それは実際に対人戦勝率37%という低調な数字にも表れていた。また前半ではあまりの守備力の低調さで目立たなかったが、攻撃面においてもノープランぶりが露呈されており、そこで前線2選手を入れ替えるも相手の危険なエリアに入ることさえ叶わず、ブラント、ロイス、ゲレイロらは期待された創造性を発揮することも叶わない。前線に一発勝負で挑む単調な仕掛けぶりに、ロイスも「90分間、僕たちは全く怖さを感じさせることができていなかった。ライプツィヒの裏に入って自分たちのプレーをすることもできなかったし、試合に深みをもたせることができていなかった。あまりにも物足りないものだったよ」と吐露。

ブラント「2試合続けてとても苦しい敗戦」

 それはわずか3日前に行われた今季を占うドイツ頂上決戦、バイエルン戦において見せてしまった不甲斐なさの繰り返しであり、なによりこの重要な場面において問題となったのはクオリティ面における欠如というよりもむしろ、意欲面の方がよほど気掛かりな戦いぶりであったということ。失意の秋から年明けより見せてきた凄まじいまでの”ドルトムントの逆襲”も、1ヶ月前のCL敗退に始まり、そしてこの5日間のうちにリーグ戦で首位陥落、さらにはバイエルンも敗退したことで優勝候補最有力となりながらもドイツ杯での敗退によって、砂上の楼閣のごとくドルトムントの夢は一瞬にして無に帰する恐れがでてきた。確かにバイエルン、そしてライプツィヒに敗れることはいかなるトップチームにおいても起こりうるもの。それでもテルジッチ監督が語るように「バイエルン戦から何も学べていない自分たちを責めなくてはならない」ような、あまりに酷い敗戦劇を演じてしまったこともまた事実である。

 「勝利になど値しない。守備面はあまりにルーズで、特に前半はまともにボールをもてていなかった。」と語ったユリアン・ブラントは、さらに「今、僕たちは2試合連続でとても苦しい敗北を味わってしまった。でもここから気持ちを立て直して、次の試合で勝利していかないと」と早急の事態打開の必要性を訴えた。「代表戦期間明けから悪い出だしをみせたけど、でもそれを言ったところでどうにかなるものではない。今は次のウニオン戦で勝たなくてはいけないんだ。プレッシャーは増すばかりなんだから」
 
最終更新:2023年4月6日 17:52

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