2023/04/10

ブンデス最年少50試合出場のムココ、値千金の決勝弾でブンデス優勝争いに弾み

©︎picture alliance/dpa

 「お前がここで入って、試合を決めてこい。そう監督から指示を受けたんだ」と試合後に明かした、ユスファ・ムココ。この日18歳と139日という若さでブンデス50試合出場という最年少記録を樹立した若武者は、その司令を遂行するのに5分と要する必要もなかった。後半74分に投入されたストライカーは、MFセグインから相手GKレノウに出されたバックパスに素早く反応を見せると、そこで見事割って入り決勝弾をネットへと沈めてみせたのである。「監督とは僕は一緒にとても良い取り組みができていると思うし、時間をかけて僕を育て上げてくれているんだ」とコメント。長期間に及ぶ負傷離脱から徐々に本調子を取り戻しつつあるドイツ代表にとっては、今回は昨年11月以来となるゴールという意味合いもあった。

 無論そのような苛立ちが募る中でベンチに座ることは、血気盛んなまだ10代の選手にとっては決して容易なことではない。それはテルジッチ監督も十分に把握しており、「もちろん彼は先発できなかったことに悔しさを覚えていた。そこには失望もあったことだろう。だがそれでも私は彼を呼んで、しかめっつらを見せてベンチやロッカールームにいるようなことがあっては、物事は決してうまくいくものではないよ、とも伝えていたんだ」と明かしている。そういった細かな気遣いがこの日の貴重な決勝弾という形で報われたのだろう。「ムココには笑顔が似合う。今回のような喜びは彼にも本当に功を奏するものだよ。」と指揮官。

 またチーム全体がみせたパフォーマンスにも「この1週間を思えば、ここで結果を出すことは決して容易なことではなかったんだ」と賛辞をおくっており、代表戦明けに迎えた大一番バイエルンとの首位攻防戦で敗れ、またその数日後にはドイツ杯準々決勝でライプツィヒに敗戦。ここでさらに3位ウニオン・ベルリンに敗れると一気に流れが傾きそうななかで、選手たちがみせた踏ん張りにテルジッチ監督は目を細めた。ケールSDも「これで万事OKというわけではないが、それでもこの2試合で生じた動揺を見逃してはいけない。今回はそこでリアクションをみせてくれたので安堵している」と評価。前半こそ支配率7割を誇るも後半からウニオンが攻勢に転じていただけに、ムココの一撃の意味はそれだけに大きかった。「最後は気迫で守り抜いたね」とテルジッチ監督。

CL出場権獲得、リーグ優勝争いでも大きな意味

 なおバイエルンはこの日フライブルクにドイツ杯での雪辱を果たしたため、勝ち点差は2と変わらぬままだが、ケールSDが指摘するようにCL出場権争いという点では3位ウニオンと4位フライブルクに共に土がついた格好で「後続との差を広げることができたのは大きい。そして我々は引き続きタイトルレースで追撃体制をとれる」とコメント。これでドルトムントの残り7試合では上位3チームとの対戦は完全に消化された。ちなみにドルトムントは来週土曜午後にVfBシュトゥットガルトとのホーム戦を迎える。

ボルシア・ドルトムント ボルシア・ドルトムントの最新ニュース