2023/04/10

恥ずかしいプレーがありつつも、見事復活を印象付けたアデイェミ

©︎IMAGO/Treese

 復活を印象付けた土曜日の1.FCウニオン・ベルリン戦ではあったものの、それでもカリム・アディエミにとってあのプレーは、記憶から抹消したい恥ずかしいものとなったはずだ。相手選手ユラノヴィッチに対してサイドから素晴らしいスピードでプッシュし、そしてペナルティエリアへと侵入してイェッケルも交わしてはいたものの、そこでフィニッシュを模索するのではなく、しかも特に身体的な接触もないのにピッチに倒れ、PK獲得を模索するというスポーツマンシップに反する行為を露呈してしまったのだ。その結果で主審からイエローカードを提示されたのは、むしろ当然の報いだといえる。

 ただそれ以外の点に関して言えば、21歳のアタッカーは順調な回復ぶりをみせていたことも事実だ。ヘルタ戦でマレンにアシストした際に負傷、それまで年明けからのドルトムントの快進撃の立役者となっていた同選手は、それからのCLチェルシー戦での敗退、バイエルンとの首位攻防戦での敗戦、さらにはドイツ杯準々決勝ライプツィヒ戦での敗戦も、これについては出場停止もあってただ見守るほかなかった。そんな中で迎えた3位ウニオンとの上位対決で先発復帰したアデイェミは、離脱前の好調さを保っているかのような「とても良いプレーをみせていたね。フレッシュさをもたらしてくれていた」とケールSDは評価。幾度となく深い位置に侵入して、常に1vs1の状況を作り出していたよ」と賛辞を送っている。

 とりわけ「チームを豊かにしてくれる存在だ」との言葉に表現されているように、今回ドルトムントへ改めてオプションが取り揃ってきたことを示したことが「とても重要」なのであり、「これまでの戦いにおいても我々は、ベンチからの力によって状況の打開を図れてきたこともまた、このチームを際立たせていたことなんだ。その結果で監督は贅沢な悩みを抱えることになり、そしてチームのクオリティ向上につながっている。それは何もいま初めて知ることでもないよ」と説明。その象徴こそこの日に途中出場したユスファ・ムココであり、ブンデス史上最年少での50試合出場を果たした若きドイツ代表は、投入直後に早速ゴールを記録。それが貴重な決勝弾となりドルトムントは1−0で勝利をおさめた。

ボルシア・ドルトムント ボルシア・ドルトムントの最新ニュース