2023/05/08

2得点の活躍で快勝貢献も、アデイェミ「自分自身に苛立ちを覚える」

©︎IMAGO/Nordphoto

 日曜日に行われたVfLヴォルフスブルク戦前、ボルシア・ドルトムントのセバスチャン・ケールSDは「当然のことながら、残り3週間という時点で、追いかける立場にあることは不利ではある。ただ我々としては首位バイエルンにプレッシャーをかけ続けていきたいし、とにかくついていくしかないんだ」とコメント。

 エディン・テルジッチ監督も「最後の最後でリードを奪えればいい。」と強調し、前日の勝利でこのときは勝ち点差4に広がっていた差を再び縮めることへの意欲を見せていた。それが選手たちにも伝わったのだろう、最終的にドルトムントはこの試合で6−0と圧勝。指揮官も「我々はコンビネーションがうまくいっていたし、奥を突くことができて、また守備面での取り組み方にもいいものがあった」と賛辞を送っている。

 だがリーグ優勝争いという点から、「これを継続していかなくては話にならないがね。それが今日はできたから満足ではあるが」とコメント。つまり先日は誤審騒動の末に痛み分けの終わったボーフム戦では、「その前のフランクフルト戦でもみせていたような決定力を見せていたわけではなかったから」と、むしろチーム自体への安定したパフォーマンス要求。

 そんな中で「時速36kmという武器」で主役を演じたのが、カリム・アデイェミだった。「今日のカリムをみていると、全てのアクションの中でポジティブじゃなかったのは、たった1つしかなかったよ。ちょっとハットトリックを欲張ってみせてしまった、あの場面だね」と指摘。それは5−0という場面で得たPKを外したことであり、「でもそれ以外のプレーは本当に素晴らしかった。得点だけでなくその加速によって1vs1で相手を苦しめていたしね」と語った。

 ちなみに本来キッカーを務める予定だったのはベリンガムだったのだが、ハットトリックを目指し自らキッカーを申し出ていたアデイェミは、「ロイスに渡した方がよかったかも。」と説明。直後に交代を告げられピッチを去る際には、ファンから温かな歓迎で迎えられるも明らかに落ち込んだ様子をみせており、「なによりまずはチームのこと。そこで僕たちは試合に勝利した。でも自分としてはハットトリックを決められなくてとても悔しいよ」と素直な心境を明らかにしている。

ベリンガムの噂に、ケールSD「何もオファーもないが・・・」

 その一方でジュード・ベリンガムについては、将来性という意味で複雑な状況だ。今週に19歳のイングランド代表MFについては、すでにレアル・マドリードと2029年までの契約で合意に達しているとの噂が浮上しており、ただセバスチャン・ケールSDは「新しい状況はなにもない。私たちは議論を煽るようなつもりもないし、(移籍要求に関する)数字を口にするつもりもない」と語った。「このような選手に関心が寄せられるのは至って普通のこと。でも私いオファーも数字も何もないが、それでもいかなる可能性にも準備を怠らないのが(チームづくりを行う)我々の仕事でもあるさ」

ベリンガムの噂に、ケールSD「何もオファーもないが・・・」

 また攻撃のみならず守備面においても無失点におさえており、なかでも「マッツは今年、本当に素晴らしい仕事をしていると思う」とグレゴール・コーベル。またテルジッチ監督も「マッツは本当に素晴らしいプレーを見せてくれた。それはゴール前でのディフェンス然り、プレスやプレッシャーのかけかた、ボール奪取の方法然りだ」述べつつ、「我々は試合開始から終わる時まで、最高のパフォーマンスを見せられたと思う。終始最高だった。素晴らしいゴールを積み重ねていっただけでなく、チームとして無失点におさえることができた。選手たちが一致団結して戦う姿を目にして、とにかくうれしかったよ」と述べている。それは優勝にも手がとどくものか?「もちろんバイエルンに委ねられる部分はある」と指揮官。「それでも今季は本当にクレイジーであることもまた目にしてきたことだ。もしもこの3試合で勝利をおさめられれば、再び首位にたってプレッシャーをかけることができるだろう。我々次第だよ。我々は満足しているが、まだまだ貪欲でもある。最後まで戦いつづけるよ」と前を向き、エムレ・ジャンも「まだ何も決まってはいない。でもそれを信じる気持ちは確実にもっている」と断言した。

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